企業向けサービス価格、2月は3%上昇 人件費などコスト転嫁

3月26日、 日銀が公表した2月の企業向けサービス価格指数速報は前年比3.0%上昇、前月比横ばいとなった。1月は前年比3.2%上昇、前月比0.5%低下だった。都内の日銀本店前で1月撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Tetsushi Kajimoto
[東京 26日 ロイター] - 日銀が26日に公表した2月の企業向けサービス価格指数速報は前年比3.0%上昇した。伸び率は前月の3.2%から鈍化したものの、3%台は5カ月連続。好調なインバウンド(訪日外国人)を背景に、旅行をはじめ主に運輸業界で人件費などを転嫁する動きが続いているとみられる
2月は項目別でも全般的に伸びが鈍化したが、宿泊サービスは11.8%上昇(1月は16.8%上昇)、旅行サービスは同4.8%上昇(同7.2%上昇)と高い水準を維持。道路貨物輸送は同3.2%上昇(同3.0%上昇)、国内航空旅客輸送は同3.4%上昇(同2.6%上昇)と伸長のペースが加速した。
一方、タンカーを除く外航貨物輸送は同5.3%下落(同1.9%下落)、海上や運送保険を扱う損害保険は同0.6%下落(同0.2%下落)と落ち込み幅が拡大した。
同指数は、物流費やシステム費、不動産賃料など企業間で取引されるのサービスの価格動向をとらえたもの。サービス業は製造業より労務費の占める割合が大きく、賃金と物価を見ながら金融政策に当たる日銀が注目している。
日銀は、労務費や物流費の上昇を価格に転嫁する動きが持続していると説明しつつ、「サービスの先行きの増勢、海外の景気動向や通商政策の見直し、地政学リスクも踏まえた国際商品市況や海運市況の動向を注視している」とした。