英FCA、金融機関のリスクテークへの姿勢見直しへ 成長促進に軸足

英金融行動監視機構(FCA)は3月25日に公表した向こう5年間の戦略文書で、成長を促すために金融機関のリスクテークに対する姿勢を見直す方針を示した。ロンドンにあるFCA本部で2022年3月撮影(2025年 ロイター/Toby Melville)
[ロンドン 25日 ロイター] - 英金融行動監視機構(FCA)は25日に公表した向こう5年間の戦略文書で、成長を促すために金融機関のリスクテークに対する姿勢を見直す方針を示した。
労働党政権は金融サービス業の成長を加速することで低迷する経済を活性化させようとしており、FCAの新たな戦略を歓迎しそうだ。
FCAは先に、「消費者を支える」、「犯罪との闘い」、「成長の支援」、「より優れた規制当局になること」の4項目を優先課題に掲げた。アルダー長官は戦略文書で、この一環として「リスクに対する組織としての姿勢を見直す」と表明。「これまでは決定に伴うリスクばかりに焦点が当てられ、決定を下さなかったことによる機会損失が軽視されてきた。そうした状況を変えたい」と意欲を示した。
戦略文書はリスクテーク評価の変更について具体的な施策にはほとんど触れていないが、「適切な行動を取ろうとしている企業に対しては監視を軽減する」とした。
金融業界から寄せられた意見に基づき、「広範な見直しは避ける」と言明。適切なバランスを取るために業界と対話を続けると強調した。また金融機関の作業を簡素化するために、時代に即さなくなっている大量の指針や監督関連の文書を廃止する方針も示した。