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イタリア事情斜め読み

ヴィズマーラ恵子|イタリア

イタリアから見た五輪、伊女子ボクサーとインターセックス論争を解説

@SkySportsNews 公式YouTubeチャンネル「Angela Carini 'wants to apologise' to Imane Khelif amid boxing gender row」より

| メディアは個人の尊厳を損なう暴利行為

パリオリンピック2024、ボクシング女子66kg級のイタリア代表アンジェラ・カリーニ選手とアルジェリア代表イマネ・ケリフ選手の試合は、イタリアでは試合前からメディアに大きく取り上げられた。この事件は、今もこの話題は世界中で議論されており、爆発的に拡大している。

イマネ・ケリフ選手について、イタリアの副首相サルビーニ氏が、国際ボクシング協会(IBA)が、ボクシング世界選手権大会2023で女子ボクシング選手としては、アルジェリアと台湾の2人の選手をジェンダー適格性資格検査で不合格にし、失格処理したが、2024パリ五輪には正式出場しているという矛盾をついたX投稿ポストが発端となり、『明日は、「トランス男性」が女性を殴ることになるだろう。見ていられない』など、次々にフェイクニュースで煽られた。

当初は、すべてを知るには情報源が十分ではなく、たとえ情報源があったとしても、結論に達するのは依然として非常に難しいという状況ではあったが、「インターセックスの男性が女子枠で出てはいけないだろ」と、アルジェリア人のボクサーは非難された。

誹謗中傷コメントは、マルティナ・ナブラチロワ、ケイトリン・ジェンナー等から届いた。
ドナルド・トランプ氏は、もしホワイトハウスに戻るとしたら、「私は男性を女性スポーツから遠ざけます。」と発表し、トランスフォビアを誇示しようとしていると語った。

ハリーポッター の著者 JKローリング氏は、「私たちの新たな男性の権利運動」を非難し、ケリフ選手の性別を「女性蔑視のスポーツ界に守られていると知っている男性が、頭を殴られたばかりの女性の苦痛を楽しんでいる」と、わざと主語を「男性」にして書き、批判した。最後にJKローリング氏は、スローガンのごとく「男性は女性のスポーツに参加するべきではない!」とXに投稿した。
そういった投稿は、プロパガンダを広める場所になりイタリアでは、JKローリング氏について、「トランス排他的ラディカル・フェミニスト」と言われている。

いつものことだが、政治家、コメンテーター、有名タレント、作家、専門家など、誰もが意見を言う必要があった。
イマネ・ケリフ選手のことについて、ある者は彼女を男性と定義し、ある者は服装倒錯者だと言い、ある者は性転換者、ある者はインターセクシュアルだ、ある者は女性と呼んだ。

この問題はよくあることだが、最終的にはイタリア国民を自分たちの確信を糧とする2つの派閥に分けることになった。

インターセックス(DSD/性分化疾患)の選手を女子選手として出場を許可するIOCの判断基準は「パスポートの性別など馬鹿げている、女性アスリートの安全が守られていない」と反対し、一方の
国際オリンピック委員会(IOC)は、「ジェンダー・イデオロギーに流されている」と非難し、他方では、彼の参加の権利を精力的に擁護し、「疑惑を提起する者は反動的である」と非難した。

8月1日木曜日 イマネ・ケリフ選手そして アンジェラ・カリーニ選手は、2024年パリオリンピックのリングに上がり、ウェルター級のボクシングの試合に出場した。
試合時間はわずか46秒。
ナポリ出身の25歳のイタリア人が一連の打撃を受けるには十分な時間だ。
まず、試合開始直後、顔への一打直撃。 カリーニ選手はコーナーに近づきながらコーチに、「もう十分です。戦いたくない」「鼻が痛い」と言い、二度目にコーナーに戻った際は、一言「ノネ・ジュスト(不公平だ)」と告げた。
主審がケリフ​​選手の勝利を宣告した後、彼女は「不公平だ」と大声で何度も繰り返した。
握手を求めて近づいてきた相手を避け、リング中央で涙を流しながら膝をついた。

試合開始50秒も経たずにカリーニ選手側の棄権により勝利したことで、イマネ・ケリフ選手への批判が殺到するのかと思いきや、試合後のSNS上ではカリーニ選手のこの態度が、「スポーツマンシップにかける、相手選手に失礼だ」や「試合観戦チケットを買った人の身になれ」、「こんなみっともない試合をするくらいなら初めからリングに上がらなきゃ良かった」、「最後は号泣必至のナポリ劇場」、「イタリアの恥」、などと、その多くは誹謗中傷する酷いコメントだった。

自国を代表したカリーニ選手を責める人達が散見され、さらに論争が再燃した。
カリーニ選手の「途中棄権」の決断について、コメントするのは場違いだろう。
その瞬間の選手の感情を想像できるのは、リングに入って対戦相手と対峙した者だけだ。

ボクシングは格闘であり、リング禍におけるリスクがあるスポーツである。
命を削って過酷な減量をしたり、致命的な一発で死に至ったり、または深刻な障害を負うこともある。そんな命に関わる競技である。
アマチュアボクシングといえど、ヘッドギアはあくまで打撃やバッティングによる直接的な傷や腫れを防ぐためのものであり、脳震盪や脳挫傷を防ぐためのものではない。
何のために細かく体重制限をかけた階級制にしているのか、それは公平性を期す為であり、何よりも選手の身体を守る目的であるからだろう。

科学では確実性がほとんどない。ならば、物理学からではどうであろう。
最も堅実なものは、科学研究で使用されるグローブに適用されたダイナモメーターからのものがある。
今回の場合、同じ体重66kgであっても、男女では筋肉量は違う。男性ホルモンの環境下で形成された体格・骨格は、女性に比べて優位性が残る。
パンチ力も大きな違いがある。
中量級の男性の出す適切な位置にあるパンチは、47km/hで約2,600ニュートンの力で顔面に当たる。
同じ体重カテゴリーの女性の出すパンチの速度は、40km/hで1,600ニュートンを超えない。
科学がダメなら物理学だ。物理的には対戦相手に対して不当な優位性を示していると証明できないだろうか。

・インターセックス協会はイマネ・ケリフ選手を全面的に擁護した。
「遺伝的またはホルモン的特徴に基づいてアスリートを排除することは、個人の自由と平等の原則を制限するものであり、これらは毎日、あらゆる会場で広められ、守られるべきである。」と、述べた。

「意図的で求められ、繰り返された誤報。 特定の権利、ケリフのケースは、キャスター・セメンヤや他の多くのアスリートの以前のケースと同様、創立の価値観の中に包括性、参加、個人の尊重を広めるべき世界スポーツの非常に悲しい1ページを残した」と、現在進行中の議論は品位に欠けると考えており、アスリート、何よりも人間の尊厳を傷つけるメディアや社会的略奪公式プレスリリースによって、イマネ・ケリフ選手の男性的容姿が強調されていることに憤りを感じているようだ。

また、「インターセックスの人が、政治的搾取の場合にのみ見出しに載るのは、それが他の国民に対して証明されていない"利点"であると主張されている場合に限られ、一方、私たちが否定された権利について話す場合には完全に沈黙した」と、メディアの暴利行為を批判している。

| なぜケリフ選手はオリンピックに出場できるのか?

国際ボクシング協会(IBA)と国際オリンピック委員会(IOC) の間にある確執

国際ボクシング協会(IBA)のウマル・クレムレフ会長はロシア人であり、ロシアのスポーツ関係者で元アマチュア地元ボクサーである。国際ボクシング協会(IBA)は、非常にプーチン大統領に近い人物が会長を勤めている協会で、IBAの主要スポンサーはロシアの国営企業ガスプロムだ。
国際オリンピック委員会(IOC) は、オリンピックからロシアを締め出し、 IBAの組織運営ガバナンス問題を理由に世界統括団体としての地位を剥奪している。
国際ボクシング協会(IBA)が女子枠での出場を許可しなかった2選手について、国際オリンピック委員会(IOC) は、出場を許可した理由の背景と関係性は、こういったIBAとIOCの間には確執からも見えてくる。

ジェンダー適格性資格テストで「XY染色体の存在を検出したDNA検査」に基づき、それを根拠とした出場資格取消し処分のIBA準拠規則に拘わらず、IOCは大会の参加資格とエントリー規程などすべての定められた医療規程を遵守しているとし、これまでのオリンピックと同様、選手の性別と年齢はパスポートに基づいて決定されると正当性を強調した形となった。
IOCは1996年以降、アスリートの「性別検査」を実施していない。
その時点から、少なくとも8人の*シスジェンダー女性アスリートがインターセックスの遺伝的特徴を持っていることが判明している。

*シスジェンダーとは、誕生したときに割り当てられた性別と性同一性が一致し、それに従って生きる人(非トランスジェンダー)


| 国際オリンピック委員会(IOC) が厳しい公式声明を発表

国際オリンピック委員会(IOC) 広報担当者は、 マーク・アダムス氏は、メイン・プレスセンターで行われた会見で、「私たちにとって、ケリフは女性であり、過去3年間に彼女が多くのイタリア人ボクサーと戦ってきた。こうした疑惑に基づいて判断するのであれば、性器検査に基づく制度に戻るべきです。」と言った。

そして彼は、「尋ねるべき質問は、"スポーツ選手には資格があるのか​​?"ですが、この場合、パスポートと書類によると"YES"です。検査は以前にも行われたが、一夜にして検査を行うことはできない。もし私たちがすべての告発に従えば、『無益な魔女狩り』に直面することになるだろう。」と付け加えた。

IOCは、不当な優位性を証明しなければならないのは競技団体の方であり、ボクサーのケリフ選手とユー・ティン・リン選手、そして彼女達が優位性があると主張される利点を示せと言っている。

オリンピックの過去には、女子競技でメダルを獲得したり、時には記録を破ったりしたアスリートに、トランスセクシュアルやインターセクシャルの疑いがあることをめぐる論争が絶えなかった。

最もよく知られているケースの一つは、チェコスロバキアの中距離走者のケース。
ヤルミラ・クラトチヴィロバ選手は、1983年に800メートル走で、考えられないほどの世界記録を樹立し、42年経った今でもその記録は破られていない。
クラトチヴィロバがインターセックスのアスリートであるかどうかはおそらく生涯不明のままになるだろうが、彼女の男性的な特徴と筋肉量は常に彼女に対して、男性なのではないかと疑惑が投げかけられてきた。

また、10年前に大勃発した南アフリカ代表の陸上女子800メートルのキャスター・セメンヤ選手の事件もある。彼女は、 ボディビルダーの筋肉量を持ち、出場した試合の99%は勝利している。残りの1%は彼女が試合を欠場したから。つまり、出場するれば100%1位を獲得している。

彼女ようなインターセックスのアスリートは、婦人科検査で屈辱を与えられ、抗アンドロゲン剤の服用を強制され、最終的には世界陸上競技大会から追放された。
性的発達の多様性を持つ他の同僚と共に、人権の名において人権裁判所に訴えた。
欧州人権裁判所は、これらの行為と規則は人権を侵害していると非難した。
IOCの異なるアプローチによってもそれは許されないのだ。

なので、IOCは2023年以降は、人権裁判所への上訴を回避するための包括的規則 国内法を遵守することにした。アスリートの「性別検査」を実施していない。
また、これまでインターセックスの人々の参加を許可するためにルールが変更したわけでもなく、IOCに参加しているほとんどの国と同様に、IOCは性別二元論の例外を考慮していないため、常にこのような問題が起こってきたし、これからも起こるだろう。

国際オリンピック委員会(IOC) は、すべての人には差別なくスポーツを行う権利がある。オリンピック憲章、IOCの倫理規程、人権に関するIOCの戦略的枠組みに従ってオリンピックに参加するすべての選手の人権を守ることに尽力しているというが、人権や性の多様性の前に、アスリート達の命の安全性は確保されるべきであることは大前提であり憂慮されなければならないと思う。

ボクサーの場合は、ボクシングというスポーツの身体的危険の内存を知り、厳格なルールの範囲にある殴打行為を受けるということを了承し、危険を引き受けた上で実施、成立しているスポーツである。
日本の法律で言えば、たとえ、打撃が原因で相手選手が死んでしまったとしても、原則、正当業務行為(刑法35条)が成立し、違法性は無く殺人罪や暴行罪や傷害致死罪に問われることはない。

イタリアのカリーニ選手は、そういった殴打行為を受けるということを了承したとしても、それが異性からの与えられる、これまで経験したことのない強い攻撃であることを許諾したつもりはなかっただろう。
今後は、厳格な参加基準とルール、女性アスリートの公平性の維持が必要であると思う。


| メローニ首相が動いた

メローニ首相が声明を出した。

「アスリートは一般的な男性の特徴を持っていると思います。 彼らは女子競技会への参加を認められるべきではないし、それは私たちが誰かを差別したいからではない。 女性アスリートが平等な条件で競技する権利を守るためです。 アンジェラ・カリーニ選手の戦い方に感謝します。 昨日、あなたが「私は戦います」と書いたとき、私は感動しました。なぜなら、これらのことでは、献身、頭、性格、そして対等な条件で競争することも重要だからですが、しかし、これはそうではありませんでした。」


翌日、パリでの早朝会談。
メローニ首相は、イタリア代表選手が女子ボクシングの試合を棄権をめぐる論争後、IOCのトーマス・バッハ会長と面会した。
イタリアオリンピック委員会(CONI)の会長のジョバンニ・マラゴ氏も出席し、カリーニ事件について話したという。
加えて、2年後の2026年、イタリア・ミラノ-コルティナ冬季オリンピック大会が開かれる。
その全体的な進捗状況や大会の準備状況について意見交換を行ったという。
メローニ首相とIOCバッハ氏会長は、イタリア政府と国際オリンピック委員会が今後も連絡を取り合い、競技の公平性を確保するために今後この問題にどのように対処するかを評価することに同意した。


| 遺伝学者ダッラピッコラ氏の見解

イタリア大手新聞社コッリエーレデッラセーラ紙が、遺伝学研究の国際的著名人であるブルーノ・ダッラピッコラ教授にインタビューをした。
アルジェリア代表ボクサーのイマネ・ケリフ選手について、「彼女はモリス症候群の可能性がある。彼女は女性ですが、いくつかの側面を明確にする必要があります。テストステロンレベルを変動しないように設定する必要がある」と説明した。

ダッラピッコラ教授
「考慮すべき点の1つは、倫理的な問題です。これはとても難しい。科学は役に立ちますが、遺伝学では臨床例を説明することはできるが、ルールはスポーツを監督する人次第です。このことを念頭に置いておかなければなりません。 」

Q、ケリフ選手については、
A、「実際に会ったことがなくても、医療記録から相対的なアイデアは得られます。私が見たところ、それはモリス症候群、つまり精巣の女性化を患っている人である可能性があります。およそ3万人に1人の割合で影響を受けます。」

Q、それには何が含まれますか?
A、「もし彼女がモリス症候群を患っていると思われる場合、彼女は女性ですが、XY染色体を持ち、テストステロンを生成する精巣を持ち、通常は深刻な合併症さえ避けるために思春期前に切除されます。この状態では、テストステロンに対して鈍感な人もいますし、部分的にしか感じない人もいます。それは評価される必要があります。」

Q、どのような意味で?
A、「もしそれが部分的なもので筋肉量に影響を与えるのであれば、彼がボクシングで女性と戦うことが正しいかどうかを理解できるでしょう。おそらくそれは、戦ってはいけないことを意味します。」

Q、ケリフ選手は、自分がモリス症候群を患っている(女性的に見えるが本当は男性だ)と自覚していると思いますか?しかし、ケリフ選手は前回の東京オリンピック大会では無敵ではなく、例えば準々決勝で敗退しました。
A、「テストステロンは要素ですが、才能、技術、トレーニングといった他の要素も必要です。」

Q、イタリアのカリーニ選手は、才能とテクニックを持った選手ですが、1分も経たないうちに数発のシュートを打っただけで途中棄権してしまいましたが、なぜでしょうか。
A、「あの試合では、心理的な側面が働いたのだと思います。」

Q、要するに、ケリフ選手が女子カテゴリーに出場するのはあなたにとって正しいことでしょうか?
A、「男女で分かれているので、女性同士で競争できる。しかし、そこで止まるわけにはいきません。」

Q、ホルモンレベルのことを言っているのでしょうか?
A、「国際レベルで調和の基準を設定する必要がある。 IOCと連盟は、それぞれが独自のスキルを持つ専門家とともに評価を行い、固定的かつ非変動的なレベルで選択を行うべきです。」

Q、しかし、女性の平均よりも高い生産量が先天的なものであるか、多嚢胞性卵巣症候群などの病状に関連している場合はどうなるでしょうか?
A、「前述のような病状や症候群を抱えている人は、女性と競争しなければなりません。睾丸を持っている人の場合は違います。」

Q、しかし、このようにして、男性/女性というカテゴリーから、テストステロンレベルによって与えられるカテゴリーに移行することはできるのでしょうか?
A、「はい、可能です。ご覧のとおり、誰もが多少なりとも正しいので、事態を明確にすることが急務であるのです。」


| 生命倫理学者シルビア・カンポレッジ氏の見解

スポーツの科学と倫理に関してイタリアだけでなく最も偉大な専門家の一人で、ベルギーのルーヴェン大学のスポーツ倫理と誠実性の教授であるシルビア・カンポレッジ氏は、世界ドーピング防止機構(WADA)の倫理に関する 4 人の外部専門顧問のうちの1人でもあり、「スポーツにおけるバイオニックボディと遺伝子組み換えアスリート」の著書でもある。

シルビア・カンポレッジ教授は、

「イマネ・ケリフ選手は女性です。彼女はホルモンの分泌が多いだけで、多嚢胞性卵巣症候群のようなものです。彼女は女性なので、女性の競技会に参加することに何の問題もないと思います。」

と、見解を示した。
イタリア政府の権威ある主要メンバーが、彼女を男性だと表現したとしても、教授は、「私が読んだところによると、彼は「性的特徴の多様性」、つまりVcs/DSDの特性を持ったインターセックスの人物であり、これは高アンドロゲン症、つまり仮説上の女性の平均よりも高いホルモンの産生を引き起こす可能性もある人だと言うことです。」

多嚢胞性卵巣症候群は、女性の8~13%が罹患している。Vcs/Dsd を患っている人の割合は世界で0.018 ~ 1.7%であると推定されている。
インターセックスの人々は、男性または女性の身体に関する典型的な二項対立の概念に当てはまらない性的特徴を持って生まれる。

教授が言うには、人は皆、他の人とは異なる。ここで私たちが扱っているのは自然条件と内生生産物であり、ドーピングの話ではないと付け加えた。
このような論争が起る原因については、「少し性差別があるのが原因。内因性の遺伝的利点は、男性のカテゴリーにのみ良い。 しかし、おそらく何か他のこともある。これらの遺伝子検査の対象となった女性は全員、世界の南部出身者です。それが単なる偶然であることを祈りましょう。」
と答えている。
解決策については、
「科学は役に立ちますが、解決策は何も提供しません。問題は倫理的なものです。スポーツも社会と同様、排除ではなく包摂を追求しなければなりません。」

と、遺伝学者ダッラピッコラ教授と生命倫理学者シルビア・カンポレッジ教授は、最後には全く同じ結論に至っていた。

「問題は倫理的なもの」

スポーツも社会と同様、排除ではなく包摂を追求しなければならないだろう。

 

Profile

著者プロフィール
ヴィズマーラ恵子

イタリア・ミラノ郊外在住。イタリア抹茶ストアと日本茶舗を経営・代表取締役社長。和⇄伊語逐次通訳・翻訳・コーディネータガイド。福岡県出身。中学校美術科教師を経て2000年に渡伊。フィレンツェ留学後ミラノに移住。イタリアの最新ニュースを斜め読みし、在住邦人の目線で現地から生の声を綴る。
Twitter:@vismoglie

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