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ヴィズマーラ恵子|イタリア

イタリアのスーパーマーケット新世代QRコード導入

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| バーコードの代わりにQRコード

50年前の1974 年6月26日、バーコードはオハイオ州のスーパーマーケットのレジを初めて通過した。

それ以来、バーコードは消費者製品を識別するための普遍的な方法として小売業者や製造業者によって採用され、現在では10億を超える商品のパッケージに表示され、毎日何十億回もスキャンされている。イタリアでもスーパーマーケットにバーコードを導入したのが50年前。半世紀が経ち、今バーコードはQRコードに取って代わられると言う。

イタリアは、2027年までに、新世代テクノロジーは世界中のスーパーマーケットにおける真の革命の主役となるのがQRコードだ。
買い物方法に革命を起こすことを約束するプロジェクトが始まった。

世界有数の消費財企業22社が共同宣言に署名し、小売業者や製造業者に新世代の2DコードであるGS1標準QRコードを2027年12月までに採用するよう要請した。

バリラ、ネスレ、アリババ、カルフールを含む大手日用消費財企業22社が推進する「サンライズ2027」構想は、消費の新たな時代の始まりを示している。

| QRコードは日本が発祥

QRコードは、1994年に日本・愛知県の自動車部品メーカーであるデンソーの開発部門が発明したマトリックス型二次元コードである。

・QRコードの利点

「GS1標準QRコード」は、従来のバーコードとは異なり、豊富な製品情報を含めることができる。
この度、イタリアで導入しようとしている「GS1標準QRコード」は、GS1により標準化された、各種の商品識別コードの総称で、 Global Trade Item Number の略称で、8桁、12桁、13桁、14桁のコードがあり、信頼性が高く、世界的に認識されているバーコードを提供する国際組織であるGS1に準拠した標準化された 2 次元バーコードを使用する。

消費者は、スマートフォンでそれらをスキャンすることで、使用方法やリサイクル方法、安全性情報、栄養情報、認証などの詳細な情報にアクセスできるようになる。

実際、従来のバーコードとは異なり、GS1標準QRコードを通じて、製品識別、製品の産地、安全性主張、栄養情報などの豊富な製品情報に結び付けることができ、サプライチェーンの追跡とそのコンポーネント、二酸化炭素排出量、および包装のリサイクルの指示、再利用の表示を知ることができる。

また、GS1標準QR コードは、スマートフォン経由で情報に簡単にアクセスできるため、消費者が必要とするすべての情報を提供し、トレーサビリティを向上させ、サプライチェーン全体の効率を促進するとともに、チェックアウト時にスキャンできるなど、多くの新しい可能性を開くことができるものだ。

スーパーマーケットはどう変わるか

スーパーマーケットでのGS1標準QR コードを採用すると、私たち購買者の買い物の方法も変わる。

イタリア最大の食品会社バリッラグループのグローバル最高顧客責任者兼イタリア地域代表であるフランチェスコ・デル・ポルト氏は、「これらの規範は、トレーサビリティ、食品の安全性、消費者保護、サプライチェーンの効率と透明性、規制遵守と関係を大幅に改善できるいくつかの利点を提供します。当局とのコミュニケーション、消費者とのコミュニケーション、そして消費者が購入する選択肢を認識することです。」と述べた。

・さらなる安全性と持続可能性

GS1標準QR コードへの移行は、技術的な変化であるだけでなく、より効率的で透明性があり、持続可能な食料システムを構築する機会となることも目的としている。

QRは食品の安全性においても基本的な役割を果たすものであり、規制情報、詳細なアレルギーに関するアドバイス、正確な賞味期限は、食品廃棄物を削減し、消費者の安全を確保するのに役立つので、例えば、期限切れの食品をレジで拒否したり、賞味期限が近い食品を割引価格で販売したりできる。
結果として食品廃棄物の削減につながるので更に良い。

この「サンライズ2027」革命は、情報に限定されるものではなく、より意識的で持続可能な消費と消費者の購買意欲につながることが期待される。

目標は、2027年末までにGS1標準QR コードを世界中で採用することだと言う。

これを行うには、企業は新しいコードの可能性を最大限に活用するためにテクノロジーと内部プロセスを評価し、より詳細な製品情報を QR コードに追加し、自分のペースで変更を計画できるようにする必要がある。

メーカーと流通業者間の連携した取り組みも必要だ。
メーカーは製品パッケージに標準のGS1QRコードの導入を開始する必要があり、小売業者は店舗のチェックアウトスキャナーがこれらの新しく開発されたコードを読み取ることができるようにする必要もある。

この変化は、すでに進行しており、世界のGDPの88%を占める世界48カ国で新技術のテストが行​​われている。

 

Profile

著者プロフィール
ヴィズマーラ恵子

イタリア・ミラノ郊外在住。イタリア抹茶ストアと日本茶舗を経営・代表取締役社長。和⇄伊語逐次通訳・翻訳・コーディネータガイド。福岡県出身。中学校美術科教師を経て2000年に渡伊。フィレンツェ留学後ミラノに移住。イタリアの最新ニュースを斜め読みし、在住邦人の目線で現地から生の声を綴る。
Twitter:@vismoglie

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