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ヴィズマーラ恵子|イタリア

クリスマス法令と英国の変異種イタリア上陸

iStock-Pyrosky

| 新しいクリスマスの法令

数日間の繰り返し行われた各州知事や市長らとの会合と激しい論争の後に政府が合意に達した新しい法令法は、イタリア人の過ごすクリスマス、新年、エピファニアの休日を考慮した新しい法令であった。
制限および決定的なルールは「レッドゾーン」の規制ルール下でも親戚に会いに行く事を許可するというものである。

コンテ首相によって可決された法令(Dpcmではない)は、休日や休日の前日であっても、親戚や友人に"同じ地域にある単一の家庭になら"会いに行くことが可能となった。
苦しい決断による決定結果であるこの法令は、12月18日金曜日の夜の記者会見でジュゼッペ・コンテ首相によって発表された。

2020年12月3日の閣僚理事会の政令第3条に記載されている措置とは、
12月24日から2021年1月6日までの土・日・祝日・祝日の前日、

(注):12月24日、25日、26日、27日、31日、1月1日、2日、3日、5日、6日)には、イタリア全土で、レッドゾーンの措置が適用される。

個人宅への訪問(移動)して良いのは、朝5時から夜22時までの時間帯で、1日1回のみ許可され制限を尊重することが義務付けられた。
訪問人数にも制限がある。

すでにそこに住んでいる人に加えて、親権を行使する14歳未満の未成年者、および一緒に住んでいる障害者または自給自足のできない人に加えて、2人までは可能との訪問人数制限。
しかし禁止事項にもあるように、パーティーやディナーはしてはいけないという。
具体的な例を挙げると、祖父母の家にランチのために行った人は、その同じ夜に、従姉妹と一緒に夕食をしに行くことはしてはいけない。

その他の日、12月28日、29日、30日と1月4日のみが、イタリア全土でオレンジゾーンの措置が適応される事となった。
市町村間の移動は禁止。ただし、人口5千人を超えない自治体(コムーネ)から30kmを越えない範囲での移動は、県都への移動を除いて許可される。州都をまたいで移動することは禁じられている。

赤い日:「レッドゾーンのルールを適応」と許可された移動制限のルール
レッドゾーンルールとは:
健康、仕事、必要性、緊急性などの理由を除いて、家から外出しないように定めている。小売店は閉鎖。バーやレストランも休業。ただし、22時までは、食べ物の持ち帰りや自宅からデリバリーを注文する事は可能。

オレンジの日:「オレンジゾーンのルールを適応」と許可された移動制限のルール
オレンジゾーンルールとは:
2020年12月28、29、30日、および2021年1月4日に、「オレンジゾーン」に関連するルールがイタリア全土で施行され(ベネト州など、より制限の厳しい地域を除く)ショップは21時まで営業可能。
バーやレストランは休業。ただし、22時までは、食べ物の持ち帰りや自宅からデリバリーを注文する事は可能。


首相は、「自宅で最大2人の非同居者を受け入れる可能性」について具体的に話した。
14歳未満の子供たちも同伴で移動制限がある場合はどうなるのか?などの疑問と質問に対しては、

「重大な違反行為(犯罪)がない限り、リベラルな民主主義体制において、警察をその家に送り込むことはない」

と述べた。
次に、家の中に2人以上の非同居者がいるかどうかを検証する可能性については、

制限措置の例外として認められ得る外出・移動(証明される仕事上の理由、必要性のある状況、又は健康上の理由に動機付けられるもの。)には、自己宣誓書が必要となるが、それが守られているかどうかを調査するために警察が家庭を一軒一軒まわって家宅捜査することはない

と言った。また、記者会見では、コンテ首相は

「閉鎖を余儀なくされたバーやレストランのために6億4500万に相当するリフレッシュポイントの立ち上げる」とも付け加えて発表した。
他のカテゴリーのための措置は、今後数日間、進行中である

と付け加えた。

| 変わらないルールと変わらないイタリア人

第1条第2項の前の法令第158号によって規定されたすべての規則を施行する。つまり、「2020年12月21日から1月6日まで2021年異なる地域または自治州の領土間での出入りは禁止され、居住地(自宅)へ戻るは常に許可される。
一方、「別の地域または自治州にある」セカンドホーム、および12月25日、26日、1月1日には別の自治体に行くことは禁止。


これらのクリスマス法令には非難が集中した。また別の問題があるとの指摘があった。
果たして、イタリアに在住する誰しもが、このレッド日やオレンジ日だと指定されている日をカレンダーでいちいちチェックし、その日に応じて課せられた制限事項や禁止事項をの括りに忠実に従い、責任ある行動をすることができるのだろうか。

列車や地下鉄、バスなど公共交通インフラを利用する乗客の蜜を避け、対人距離が確保できるようにするために乗客率は50%減を基本に、運営されていなければいけないし、人々もマスクをしっかりと着用し、(理想では)ソーシャルディスタンスを守って移動しているはずであった。

フェーズ2にてロックダウンが解除され法令も緩和された初期の5月は、そのルールも守られていたが、ここ最近は全く守られていない。
ここに座ってはいけませんという張り紙の上に腰をかけたり、注意書きの張り紙がないので、隣りの席にぴったりひっついて座り込んでくる始末。


過密すぎるミラノの地下鉄列車の乗客数を制御するために、一時期ミラノの地下鉄ロレート駅が封鎖された。しかし、いきなり予告もなく封鎖されたので、いつもその駅を利用している客が怒り出し、叫んだり、2.5mの高さのある閉鎖されている柵を乗り越えて、地下鉄内へ強行突破したりする人がいるカオスなミラノ。
そんな中、この赤やらオレンジやらのルールを守れるのだろうか、新型コロナウイルス感染拡大の第二波は抑え込むことができるのか、この防止策は成功するのか。

イギリスは変異種の発表とロックダウン、さて、それを受けイタリアの動きは →

Profile

著者プロフィール
ヴィズマーラ恵子

イタリア・ミラノ郊外在住。イタリア抹茶ストアと日本茶舗を経営・代表取締役社長。和⇄伊語逐次通訳・翻訳・コーディネータガイド。福岡県出身。中学校美術科教師を経て2000年に渡伊。フィレンツェ留学後ミラノに移住。イタリアの最新ニュースを斜め読みし、在住邦人の目線で現地から生の声を綴る。
Twitter:@vismoglie

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