イタリア事情斜め読み
イタリアの大麻合法化事情
| イタリアとオランダの違い
オランダ・アムステルダムが「自由主義」であることは世界中で知られている。ソフトドラッグや高い濃度のTHC大麻、ハシシ、幻覚キノコ、おやつ、キャンディーなど、マリファナをベースにしたアイテムの商品もたくさんあってコーヒーショップなどで購入でき、完全に合法である。
オランダにおけるソフトドラッグとハードドラッグの違い
法的大麻DDLの考え方がイタリアのものとはすべて非常に異なるという点。アムステルダムでは、ライト大麻だけでなく、合法的な雑草と定義されている高濃度のTHC雑草(ハード大麻)を購入して使用することもできるが、これはイタリアでは完全に違法だ。
オランダでは、マリファナ、それに関連する製品(ハシシ、大麻油など)や幻覚性キノコなどのいわゆる「ソフトドラッグ」の個人使用は許可されている。ただし、LSD、ヘロイン、コカインなどの健康を脅かすハードドラッグの販売と使用が禁止。たとえ公共の場所であっても、雑草を吸う人は誰でも法に触れる。オランダの1919年のアヘン法では、大麻も1950年に追加されたため、マリファナの取引は依然として禁止されている。理論的には違法だが、特定の条件下では大麻の販売が広く認められているのがオランダの法律である。*注意:これは、すべての薬物がオランダで合法であることを意味するものではない。
オランダの薬物政策は、各個人が自分の健康に関する事項を決定できるという事実に基づいている。いわば、個人の自己管理に任せる。全て自己責任。当然のことながら、大麻の使用はオランダの終末期の病気の時にもよく議論されている。オランダは「安楽死」を選ぶこともできる。オランダでは安楽死も合法。
オランダの法律のもう1つの基本的なポイントは、大麻を吸いたいと思う個人の欲望や自由意思を尊重し、そういった人たちもいるという実際の社会現象を隠したりもせず、またそれを抑圧して防いだりしようとすることはしないという点である。抑制すれば、人々の欲望や行動は悪化し、違法行為(間違った麻薬の取り扱いや人に有毒な化学物質を含む他の薬物入手)につながり、また別の犯罪にも結びついてしまうから、なんでも違法だ、違法だと取締り、法規制をひく事はなんの役にも立たないというのがオランダの考えである。
著者プロフィール
- ヴィズマーラ恵子
イタリア・ミラノ郊外在住。イタリア抹茶ストアと日本茶舗を経営・代表取締役社長。和⇄伊語逐次通訳・翻訳・コーディネータガイド。福岡県出身。中学校美術科教師を経て2000年に渡伊。フィレンツェ留学後ミラノに移住。イタリアの最新ニュースを斜め読みし、在住邦人の目線で現地から生の声を綴る。
Twitter:@vismoglie