イタリア事情斜め読み
「違法な雇用」カポララートの実態、搾取された季節労働者
|ヴェネツィア 国際映画祭 金獅子賞「ノマドランド」
2020年、第77回ベネチア国際映画祭、銀獅子賞(監督賞)を黒沢清監督『スパイの妻』が受賞! 金獅子賞は『Nomadland』https://t.co/Mc1oK6IdDe
-- ヴィズマーラ恵子イタリア在住 (@vismoglie) September 12, 2020
金獅子賞を受賞した『ノマドランド』のストーリーの原作は、2015年に社会正義に関するジャーナリズムのアロンソン賞を受賞した退職後の調査がテーマのジェシカ・ブルーダー氏のノンフィクション書籍『ノマド:漂流する高齢労働者たち』をもとにしたものである。
『ノマドランド』の著者であるジェシカ・ブルーダー氏は、世界的金融危機が米国の労働者たちにどのような影響を調査し、3年の時間と約2万5千㎞もの距離をノマドワーカーたちとともにした。その取材記録を本にまとめたものだ。
米国ではリタイアできないミドルクラスの高齢者が増えている。
映画の物語は、ネバダ州の田舎にある企業の町の経済崩壊の被害者であるファーン(フランシス・マクドーマンド)が夫と地元の工場の労働者としての職を失った後、エンパイアの街を離れ60歳の未亡人が一人でキャンピングカーでノマド(遊牧)生活を送りながら季節労働を探して旅をする物語だ。
高齢者ノマドの人たちは、キャンピングカーで自由で気楽な旅や絶景を求めてまわっているわけではない。仕事が欲しいのだ。ハードな肉体労働できついが、割のいい季節労働をしなければいけない。その仕事を求めてキャンピングカーを走らせている。
知らなかった事を映画を通して知る発見的で見る人の心に直接語るべき映画の1つになるだろうと期待して映画の公開を楽しみにしている。映画を見た後に個人的な感想のレビューをしたいと思う。
著者プロフィール
- ヴィズマーラ恵子
イタリア・ミラノ郊外在住。イタリア抹茶ストアと日本茶舗を経営・代表取締役社長。和⇄伊語逐次通訳・翻訳・コーディネータガイド。福岡県出身。中学校美術科教師を経て2000年に渡伊。フィレンツェ留学後ミラノに移住。イタリアの最新ニュースを斜め読みし、在住邦人の目線で現地から生の声を綴る。
Twitter:@vismoglie