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ドイツの街角から

シュピッツナーゲル典子|ドイツ

ドイツ西部で外国人嫌悪が増加! 差別は日常生活の一部?

東部は民主主義に対する満足度の低下、西部は外国人嫌悪の増加

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ベルリン・ポツダム広場にはベルリンの壁が展示されている。@norikospitznagel

ふたつ目は、2024年11月に発表されたライプツィヒ大学によるレポートより。この調査は2002年から2年ごとに行われ、国民の権威主義・反民主主義発言への支持率を測定している。

この調査のリーダーであるライプツィヒ大学のオリバー・デッカー教授とエルマー・ブレーラー教授は2024年11月、ベルリンで開催された連邦記者会見(BPK)でドイツ連邦共和国における民主主義のあり方を報告した。

その中で「東部の州では、満足度が2006年以来最低(29.7%)となっている」と発表した。

2002年にこの調査が開始されて以来、排外主義的・排外主義的な発言に対する支持は、西部の州では減少しているが、東部では変動していた。

だが2024年の調査結果では、西部でも外国人嫌悪と反ユダヤ主義的態度が増加しており、現在では東部の意識に近づきつつある。(2022年・58.8%、2024年・46%)。西部の回答者の約3割が、ドイツは「多くの外国人によって外国化されすぎている」 と、懸念する。このような傾向は、全体的な社会の分断や不安感を助長する可能性があり、しっかりとした対策が求められる。

ドイツの民主主義に対する満足度が低下している背景には、政党や政治家に対する幻滅と経済的な不満が影響していることもある。

反ユダヤ主義もまた、ガザ紛争をきっかけに再び全国的な盛り上がりを見せている。反ユダヤ主義的な発言に対する顕在的な賛意を示す人は、3%(2022年)から2024年には4.6%に微増した。 調査対象者の投票行動を見ると、特に極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)の有権者は、閉鎖的な外国人嫌いの世界観を持っていることが明白だ。 

西部・人々の感情は...

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著者プロフィール
シュピッツナーゲル典子

ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。

Twitter: @spnoriko

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