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ドイツの街角から

シュピッツナーゲル典子|ドイツ

今年は日独交流160周年!多彩な日本文化を紹介するデュッセルドルフ「日本デー」は分散型イベントで開催

©Düsseldorf Tourismus GmbH

毎年秋にミュンヘンで行われるビールの祭典「オクトーバーフェスト」が昨年に続き中止となり、世界中のファンをがっかりさせた。

そのニュースを聞き、5月末にデユッッセルドルフで開催される多彩な日本文化を紹介する「日本デー」も中止になるだろうと想像していた。

アニメやゲームの爆発的なブームもあり、ドイツ国内や近隣周辺国から1日に60万人以上の来客がデュッセルドルフに集まる大規模なこの祭典で、密を避けることはできないからだ。

だが今年は、日独交流160周年という記念すべき年でもあることから、まずはバーチャルイベントからスタートし、夏から秋にかけてこれまでとは趣向を変えたイベントを開催するという。

分散型イベントで祝う特別な「日本デー」

日本ファンで埋め尽くされる「日本デー」とはどんなイベントなのか・・・デュッセルドルフ日本商工会議所は、開催概要を次のように発表した。

「日本デー」は、ノルトライン・ウェストファレン州(以下NRW )の州都デュッセルドルフで2002年より開催されて以来、毎年同市における日独の親善と友好関係の更なる促進を目的に、市当局とNRW州当局、当地日本社会の三者(主催者)により共同開催されている。

毎回ドイツ各地や周辺諸国から60万人以上の来場者が訪れる文化市民交流祭、そして日本とドイツにとって関心の高いテーマで日独経済シンポジウム「ビジネスデー」も行っている。

2021年の「日本デー」は、ライン川のほとりで行われる1日限りの大規模な祭典ではなく、開催日時や会場を分散したプログラムを組んだ「日本デイズ」を日独160周年祝賀イベントの一環として開催する。また日独経済シンポジウムは、5月27日にオンラインで行われる。

日本とドイツの交流が始まった1861年、日本は江戸後期、ドイツはプロイセンの時代だった。

それから160年、この歴史的な節目に当たる今年は、「コロナパンデミックのもとで通常通り行うことは難しい。だが今年は全て中止にすることはできない」。そう語るのはデュッセルドルフのシュテファン・ケラー市長だ。

日本デー主催者は、パンデミックの状況下でもデュッセルドルフにおける日本文化の多様性を提示し、夏以降にさらなる公開イベントを実施する可能性のある「第19回日本ディズ」のプログラムを作成したそうだ。

NRW州は、1950年代から日系商社の社員が滞在しはじめた。その後家族を呼び寄せ、それに伴い、生活に欠かせないインフラが徐々に整備されていった。

同州はドイツおよびヨーロッパ大陸で最も強力な日本拠点であり、600社以上(2016年統計)の日系企業が進出している。なかでも日系企業の海外進出拠点として人気のデュッセルドルフは、日独経済面のつながりも深い。

国鉄中央駅近くのインママーン通り周辺は、寿司店や書店などが軒を連ね、ライン川沿いの日本の首都とも言われる人気のスポットだ。

近年は寿司やラーメンファンも急増した。食べるためだけに並ぶのはあまり好まないドイツ人も和食店先の行列に加わり、辛抱強く待っているのをあちこちで見かけるだろう。

不安定な時期だからこそ日独友好関係を深める

Profile

著者プロフィール
シュピッツナーゲル典子

ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。

Twitter: @spnoriko

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