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ラッシャー貴子|イギリス

コロナウィルスに感染、自宅で療養しました

 家に帰った翌日から、気になったので自宅での検査を始めた。結果はずっと陰性。ところが3日後、集まったうちの1人が陽性になったと連絡があった。そしてその翌日になんともう1人。濃厚接触者になったわたしたちは、ワクチンを打っているので隔離は必要ないものの、自宅での検査が義務になった。

 検査を続けていると、1月1日の午後に軽く咳が出始めた。あわててまた検査してみると、初めて陽性の結果が出た。夫は陰性。感染したのはわたしだけだった。

 陽性になったのは年明けだったけれど、実は年末からひどく疲れる感覚があって、あの時感染していたのかもしれないとも思う。倦怠感がオミクロン株の初期症状であることは知っていたけれど、自宅の検査では陰性だったし、慌ただしい12月と気乗りしないクリスマスが終わって、疲れが出たのかなと思っていた。疲れを感じるだけでPCR検査を受けるなんて、大忙しの医療現場に迷惑そうだし。周りの話を聞いていても、症状のはじまりと陽性診断の時間差はよくあることのようだ。PCR検査を受けるタイミングは悩ましい。

感染後のNHSでの手続き

 とにかく陽性が出たので、結果をNHS(国民保健サービス)にネットで報告した。すると、すぐに携帯とメールの両方に連絡があり、あとは指示にしたがって行動するだけだった。インターネットを使う環境がない人には、NHSは電話でも応対している。わたしの場合はこの後、濃厚接触者である夫と一緒にPCR検査→アプリとネットで感染前の行動を報告→自主隔離開始という流れだった(現在では、自宅の検査で陽性が出たらPCR検査での確認は不要になっている)。

コロナPCR検査 - 1.jpeg

公園の一角に設置されたPCR検査場。この時は郵送のPCR検査にも近くの検査場にも空きもなく、約6キロ先の検査場まで歩くことになった。陽性者はバスやタクシーに乗ることができないので、自家用車も処分してしまったわが家には、他に手段がなかったのだ。分厚いマスクをして往復12キロ、約3時間。ふだんでもなかなか歩かない距離だ。軽症で本当によかった。そのうえ陽性者はどこにも行ってはいけないので、途中で夫に買ってもらったコーヒーを歩きながら飲んだだけで、休憩もせずにとんぼ帰りした。この先の自主隔離に備えて、外の空気をいっぱいに吸い込んだ。筆者撮影

 PCR検査は翌日の1月2日に予約が取れた。上のキャプションで書いたように会場までは長い距離を歩くことになったし、予約時に入力する情報も多かったけれど、検査自体はQRコードを見せるだけで効率よく終わった。72時間以内と言われた結果は、わたしには当日の夕方に「陽性」と知らせが来た。夫への連絡は翌日。結果は陰性だったので、陽性と陰性では調べ方が違うのかもしれない。

 PCR検査から帰ると、感染前の行動について質問に答えるようNHSからメールが届いていた。ワクチンを受けた日程や種類、感染前に行った場所や会った人(名前や住所も含む)など、かなり詳しい質問だ。わたしの場合は12月24日から28日までの行動について聞かれたのだけど、その間に会ったのはクリスマスに集まった家族だけだ。「感染したと思われる場所」には「たぶん家族の集まり」と書き込んだ。スマホにダウンロードしたNHSのアプリでも同じような質問に答えていたら、そちらでは、一定期間に会った人には自分からも陽性になったことを知らせるように指示された。

 そして、わたしの自主隔離が始まった。どんなに軽症でも、陽性と診断されたら伝染を防ぐために最低でも7日間は外出することができない(1月17日から5日に短縮される)。隔離については、症状の後にまた続きを。

とても軽かった症状

 年明けと同時に軽い咳が出始めたわたしは、幸いその後も、ほぼ無症状といっていいくらい軽症で、食欲もしっかりあった。咳のほかには、たまに微熱(最高で36.9度)を感じ、3日目ぐらいからは嗅覚と味覚が弱くなった。感覚がまったくないわけではないけれど、コーヒーの香りもほんのりとしかわからない。全体に症状が軽いのでオミクロン株に感染したのかと思っていたけれど、オミクロン株では味覚や嗅覚の変化はあまり出ないらしいので、デルタ株だったのかもしれない。PCR検査ではどの株に感染しているかは教えてもらえなかった。

コロナアプリ - 1.jpeg

NHSのアプリでは、自主隔離期間をカウントダウンしてくれた。これは「1月11日まで、あと8日」と示している。NHSからの連絡は効率がよくて、隔離中も、「病状が悪化したらご連絡ください」「経済面や精神的に困った時にはご相談ください」と毎日のようにフォローのメールが来ていた。ただPCR検査の予約や感染前の行動の報告では、かなり細かい質問にたくさん答えることになるので、症状が重い人には辛そうだ。筆者撮影

Profile

著者プロフィール
ラッシャー貴子

ロンドン在住15年目の英語翻訳者、英国旅行ライター。共訳書『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』、訳書『Why on Earth アイスランド縦断記』、翻訳協力『アメリカの大学生が学んでいる伝え方の教科書』、『英語はもっとイディオムで話そう』など。違う文化や人の暮らしに興味あり。世界中から人が集まるコスモポリタンなロンドンの風景や出会った人たち、英国らしさ、日本人として考えることなどを綴ります。

ブログ:ロンドン 2人暮らし

Twitter:@lonlonsmile

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