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民主党にとって最悪のシナリオになりつつある予備選
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ロシアが支援したいのはサンダースなのか、トランプなのか David Becker-REUTERS
<強硬左派のサンダースが優勢のまま予備選が進めば、民主党員が最も恐れる党内の亀裂は修復不可能に>
大統領選における民主党の指名候補を決める予備選は、(2月26日現在)アイオワ州、ニューハンプシャー州、ネバダ州の3州での投票が終わっている。この時点では、バーニー・サンダース上院議員が得票数と代議員においてトップに位置している。とは言え、サンダースが楽勝という状況ではまったくない。
アイオワではサンダースのほうが得票数は多かったが、アイオワ独自のシステムによるカウントで元サウスベンド市長のブティジェッジが僅かに勝利したことになっている(制度やシステムに問題があって現在も論争が続いている)。2016年にヒラリー・クリントンに22%以上の差をつけて圧勝したニューハンプシャーでも、サンダースは2位のブティジェッジに1.3%差に迫られ、代議員数を分けることになった。2016年には60.14%を獲得したのに、2020年は25.6%しか得ることができなかったことで、4年前ほどの勢いがないことを露呈したことになる。
アイオワとニューハンプシャーは最初に予備選があるために注目されているが、全米を代表するような地域性ではない。どちらも住民の9割が白人であり、国際的に知られる大都市もない。また、アイオワとネバダの予備選は会場での討論などの時間の余裕がある者しか投票できない「コーカス(党員集会)」なので、熱心な活動家がいる候補が優位になる。だから、これら3州がアメリカ全体の世論を反映しているわけではない。
2月29日に行われる4番目の南部のサウスカロライナが重視されるのは、これまでの3州とは人口動態も地域性も大きく異なるからだ。この州の白人の約6割が共和党員あるいは保守で、黒人の約8割が民主党員あるいはリベラルである。州全体では共和党が強いのだが、民主党は圧倒的多数が黒人でありパワーを持っている。この州の民主党予備選の結果は、どの候補が全米の黒人から支持されているのかを示唆するため、非常に注目される。また、この州の結果が、予備選最大の山場と言われる3月3日のスーパー・チューズデーに大きな影響を与えると見られている。
サウスカロライナの予備選では、2008年にはバラク・オバマが55.4%、2016年にはヒラリー・クリントンが73.44%の得票率で圧勝した。だが、今年の予備選では、黒人から圧倒的に支持されている候補ははっきりしていない。
初期の世論調査では、オバマ時代に副大統領だったジョー・バイデンが黒人有権者から圧倒的な支持を得ていた。だが、現在までにかなり支持を減らしている。最近の世論調査では、若い黒人の間でサンダース支持が増えているようだ。
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