ここまで来たベトナムのEV、アメリカに進出
Vietnamese Automaker VinFast Plants an Electric Foot in the American Market
ちなみにフォード・マスタング・マッハEは、ベースモデルで最大出力が266馬力、最大トルクは317ポンド・フィート(43.75キログラム・メートル)。価格は、税控除前で4万2895ドル(約580万円)からだ。
デグラフは、こうコメントする。「数年のうちにここ(アメリカ)で発売予定とされる、魅力的なクロスオーバー車の3モデルは、3列シートのVF9から、秀逸なスタイリングのVF7まで、なかなか興味深い。特にVF7は、私が見る限り、3つの中で最も『プレミアム』なモデルだという実感がある。ビンファストは、優れたADAS(先進運転支援システム)とインフォテインメント・テクノロジーを搭載すると約束しているし、手堅い航続距離も、大半のアメリカの消費者にとっては十分すぎるほどだろう」
VFシリーズは、400ボルト対応の電気アーキテクチャを採用しており、充電時間が短い。VF9では、残量10%から70%までの充電時間が、標準タイプのバッテリーでは約26分、大容量タイプでは35分とされている(どちらも、DC急速充電器を用いた場合)VF8では、これがそれぞれ約24分と31分と、さらに短縮されている。比較として、77.4キロワット時のバッテリーを搭載する起亜のEV6では、航続距離は310マイル(約499キロメートル)だが、残量10%から80%までの充電には18分しかかからない。こちらの新型EVでは、800ボルト対応のアーキテクチャを採用しているため、充電時間が短くて済むのだ。
デグラフは、以下のような問題点も指摘した。「私はビンファストの成功を心から願っているが、バッテリーパックに関して、車両価格に上乗せする形で購入者に月額あるいは年額のサブスクリプション料金を課すやり方には、少し不安を感じる。消費者が購入できるEVの車種が年々増えていく中で、競争はさらに激化するだろう。世の中の人々がみな、サブスクリプションという考え方に魅力を感じているとは言いがたい。特に、車の所有となるとなおさらだ」
サブスクリプションの導入により、買い手はビンファーストから、追加費用のかからない別のメーカーに流れる可能性がある、とデグラフは述べる。
「ビンファストは技術に優れ、現実的で、この市場を理解している」とダンは述べる。「アメリカ市場へ容易に参入できるといった幻想は全く抱いていない。ドイツ、日本、韓国のメーカーも、信頼を得るのに長い年月を要した。だが、ビンファストは何の準備もなくやってきたわけではない。良い手札を持ち、それをひっさげて勝負を挑みに来たのだ」
(翻訳:ガリレオ)
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