マリウポリの地下室で、8歳の少年が「絵日記」に書いた「ロシア侵攻」の悲痛
8-Year-Old's Diary Narrates Horrors Of Russian Invasion In Mariupol
@Evgeny Sosnovsky/Facebook
<少年は砲撃で大怪我を負い、日記には2匹の飼い犬と祖母が亡くなったことも書かれている。彼はまだマリウポリにいるという>
ロシアによる侵攻を受け、激戦が続くウクライナ南東部マリウポリ。この町に住む8歳の少年が書いた日記がSNSに投稿され、戦争の恐怖が無実の子供に与えるトラウマに改めて注目が集まっている。
少年は砲撃で彼の「肉が引き裂かれた」様子や、「2匹の飼い犬」と「ガリアおばあちゃん」が「愛するマリウポリ」とともに亡くなった悲痛を、文章と絵で日記に書いた。この日記の画面をSNSに投稿したのは写真家のエフゲニー・ソスノフスキーで、少年の親戚でもある。少年は安全上の懸念から身元は明らかにされていないが、今もマリウポリにいるという。
少年の日記には、文章とともに絵も描かれていた。そこには破壊された家々や、道に倒れた人たちの姿、炎上するビル、さらにはヘリコプターが飛ぶ下で戦車とともに銃を持った兵士たちが進軍する様子も描かれている。
一方、別のページには彼の誕生日をちゃんとお祝いすることを夢見る絵もある。テーブルに大きなケーキが置かれ、誕生日パーティーにたくさんのお客さんが集まっている様子だ。
アゾフスターリ製鉄所への攻撃の巻き添えを受けた家族
ソスノフスキーは戦争が始まって以来、少年の家族とともに過ごしてきたと語る。日記に書かれている少年の怪我については、ウクライナ側部隊が立てこもりロシア軍が包囲するアゾフスターリ製鉄所への攻撃によって負ったものだとした。
ソスノフスキーは「アゾフスターリに向けて撃たれた砲弾は私たちの真上を飛んで行ったが、いくつかは住宅にも落ちてきた。(少年の)祖母は、私たちの近所に住んでいた。彼女と少年は、本当に仲の良い友達同士だった。彼女が亡くなったのは自然死だったが、戦争によってそれが早められたことは疑いようもない」と、ラジオ・フリー・ヨーロッパのロシア語版ウェブサイトに語っている。
「そして、そう、犬たちもだ。1匹は砲撃の破片によって部屋の中で体を切断され、2匹目は後になってがれきの下で遺体を発見した」
3月17日にはアゾフスターリへの砲撃で、ソスノフスキーの姪とその2人の子供が怪我をしたという。2人の子供のうちの1人が、日記を書いた少年だった。「少年は背中と腕に大怪我を負い、少女は頭に切り傷を負った」と、ソスノフスキーは語る。