フィリピン中銀、「厳しい外部環境」受け利下げ再開 追加緩和も

フィリピン中央銀行は10日、主要政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ5.50%とし、市場予想通りに緩和サイクルを再開した。今後も「少しずつ」緩和を進めることを示唆した。マニラの本部で2016年撮影(2025年 ロイター/Romeo Ranoco)
Mikhail Flores Karen Lema
[マニラ 10日 ロイター] - フィリピン中央銀行は10日、主要政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ5.50%とし、市場予想通りに緩和サイクルを再開した。今後も「少しずつ」緩和を進めることを示唆した。
ロイター調査では23人中20人のエコノミストが今回の利下げを予想していた。
レモロナ総裁は記者会見で「金融委員会は、世界の経済成長を鈍化させ、国内経済活動に下振れリスクをもたらすであろう、より厳しい外部環境に留意した」と述べた。
アベノジャ総裁補佐は、フィリピン政府の今年の成長率目標(6.0─8.0%)の下限を達成することはなお可能との見解を示した。
中銀は昨年8月から3回連続で利下げを行ったが、2月の会合で利下げを見送り、市場を驚かせた。
レモロナ氏は、年内に追加利下げがあるとしつつ、一度に25bpの幅になると説明。具体的な回数は言えないとした上で「2025年に緩和サイクルを完了すると考えている」とした。
中銀は今年と来年のリスク調整ベースのインフレ率見通しをそれぞれ2.3%(従来3.5%)、3.3%(同3.7%)に引き下げた。いずれも中銀目標(2─4%)に収まっている。
レモロナ氏は「インフレ率低下でわれわれの自由度が高まる」と語った。