電車ガラガラ、マイカーで道路は渋滞 米国の通勤風景にも「新しい生活様式」
ニューヨーク証券取引所や一部の企業は、従業員に公共交通機関による通勤を禁じた。
オンライン自動車販売のトゥルーカーの調査によると、自動車を購入もしくはリースする米国民の8%は、一番の理由として公共交通機関を避けたいからと答えた。
しかし自動車に移行する市民が増えれば渋滞のリスクが高まる。米研究者チームの調査によると、首都圏で4人に1人が公共交通機関から自動車に切り替えると、個々人の通勤時間は最大20分長くなりそうだ。
調査に加わったバンダービルト大エンジニアリング学科のダン・ワーク教授は「当局者らが市民に公共交通機関の安全性を説得できなければ、恒久的なシフトになる」と言う。
公共交通機関の幹部らは信頼を回復するため、アジアや欧州の都市を参考にしようとしている。体温チェックの制度化やフェースカバーの着用義務化、座席やホームで対人距離を確保することなどだ。
発券機からエレベーターのボタン、手すりに至る清掃や消毒の徹底は、すべての交通局によって実施済み。ニューヨーク市では、こうした追加的な衛生対策による年間コストは最大5億ドルに上る。
(Tina Bellon記者)
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