韓国・文大統領、北朝鮮の脅威をテコに念願の原潜建造?
潜水艦内を視察する文大統領 青瓦台facebookページより
<国連安保理で北朝鮮への制裁決議が採択されたことを受けてトランプと文在寅(ムン・ジェイン)が行った電話会談。そこで文は北朝鮮への対抗策として原子力潜水艦の建造をトランプに提案した。文もついに北朝鮮との対話を諦め強力な軍事力で圧力をかけるのか?>
電話会談は7日、トランプが休暇を過ごしているニュージャージー州ベッドミンスターの「トランプナショナルゴルフクラブ」へ文が電話をかける形で行われた。前日の国連安保理では、中国とロシアも賛成し全会一致で北朝鮮への制裁決議が採択されており、会談では今後の北朝鮮対応についての両国の結束が確認された。
この会談中、文はトランプに「韓米両国が"力の優位"に基づく強力な圧力と制裁で、最終的に北朝鮮を核廃棄のための交渉の場に引き出すため、共同で努力しなければならない」と強調し、"力の優位"の具体的な方策として韓国軍の防衛能力の向上を挙げ、弾道ミサイルの重量引き上げと、原子力潜水艦導入についてアメリカ側の理解を求めた。
韓国軍は、弾道ミサイルについてアメリカと米韓ミサイル指針という協定で、射程距離800km・最大弾頭重量500kg以内という制限を受けており、これでは有事の際に北朝鮮の核・ミサイル施設や北朝鮮指導部の隠れ家となる地下施設を攻撃するには非力だというのだ。
さらに文は原子力潜水艦保有の必要性についてもトランプに説明をしていた。
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原潜建造は文の長年の悲願?
ここでなぜ文が原潜の話を出したのか? それは原子力潜水艦建造というのが文にとって、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権にいたときからの懸案だったからだ。
韓国SBSによると、韓国海軍の主力艦艇である1200トンと1800トン級潜水艦は、ディーゼル式潜水艦で、バッテリーの充電のためにディーゼル機関に空気を取り入れる必要があり、最長でも2週間に1回程度水面に浮上しなければならない。しかし、原子力潜水艦は理論上数か月浮上していなくても、潜行したまま作戦が可能だ。70隻あるとされる北朝鮮の潜水艦戦力に追いつくためには、原子力潜水艦の方が潜行能力、航行速度ともにはるかに有利である。