韓国・文大統領、北朝鮮の脅威をテコに念願の原潜建造?
盧武鉉政府下の2003年には、軍は原子力潜水艦3隻の建造を目指し、"362事業団"と呼ばれる極秘プロジェクトチームを結成していた。362事業団は、中核となる技術の潜水艦用原子炉の基本設計まで終えたが、その活動がメディアに知られ発足から1年で解体され、それ以来原子力潜水艦の建造は封印された。
だが今や状況は変わった。当時362事業団長だったムン・グンシクは「今、北朝鮮は核ミサイルを開発し頻繁に挑発してきており、私たちの安全保障だけでなく、米国にも脅威となっている。必ず原子力潜水艦を建造する必要がある」と語っている。
また文政権の国防長官となったソン・ヨウンは362事業団が活動していた当時、海軍の戦力を統括する企画参謀部長だった人物だ。実際、就任前の6月28日に行われた候補者に対する人事聴聞会でも原子力潜水艦の導入の必要性を語っており、就任後の7月31日国会で開かれた国防委員会全体会議でも「原子力潜水艦の導入を検討する準備ができている」と述べている。
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このソン国防部長官の発言は、文の大統領選挙時の選挙公約とも一致している。文は4月に行われた討論会で原子力潜水艦の導入の必要性を問う質問に「核を燃料として使用する潜水艦は、韓米原子力協定に違反していない。今、原子力潜水艦は、私たちに必要な時代になった」と強調している。また当時の文は、大統領になれば韓米原子力協定を改正し、原子力潜水艦を建造すると明らかにしていた。
ここで問題になるのがアメリカ側の同意だ。原子力潜水艦は、少なくとも20%の濃縮ウランが使用されるが、これを第三国から輸入したとしても、米韓原子力協定によって米国の同意がなければ、軍事用として使用することができないからだ。このため、7日の電話会談で文が原子力潜水艦建造についてトランプへ理解を求めたのだ。