81歳の経営コンサルタントが説く、普通の人にいい仕事をさせる仕組み
今こそ問われる「社長の手腕」とは
42年間のサラリーマン生活を終え、社長を退任した65歳から、児島氏は経営コンサルタントとしての活動を始めることとなった。社長時代の後半から依頼のあった講演やセミナーをこなすかたわら、女子大の講師やテレビのコメンテーターなどにも挑戦し、着実にクライアントを獲得していった。
そうして多くの企業の黒字化に成功し、80歳を前に、コンサルタントとして独立した際に掲げた「コンサルタント業でサラリーマン時代の生涯年収を稼ぐ」という目標を達成したのだ。
児島氏は先日、その長い経営経験の末にたどり着いた会社黒字化のノウハウを、一冊の本にまとめた。『中小企業が絶対黒字化できる「仕組み」』(CCCメディアハウス)は、どんな会社にも即効性を持って活用できる処方箋だと語る。
本の中で児島氏は、「人材がいなくても、市場が小さくても、会社は必ず黒字化できる」と断言する。その根底にあるのは「会社は本来、儲かるようにできている」という考えであり、儲からない会社に欠けているものは「普通の人にいい仕事をさせる仕組み」だ。
儲かる会社にできるか否かの鍵を握っているのは、社員でも市場でもない。社長自身である。社長があきらめてしまえば、会社がどんなに有望市場を持っていても、期待通りの結果は出てこないし、長続きもしない。(58ページ)
人手不足が深刻化し、中小企業は特に優秀な人材の確保に苦慮している。だが、必要なのはいい人材ではない。普通の人材がいい成果を出せる仕組みだ。その仕組み作りこそ「社長の手腕」なのだ。