最新記事
東南アジア

「70年代の日本」を彷彿...発展を謳歌する「これからの国」ベトナムで見た日本企業の存在感

Seeking Growth in Vietnam

2025年3月4日(火)11時00分
岩辺智博(本誌記者)

newsweekjp20250303065514-3aae912ea2206d8d043f104c879fa251c60e7eac.jpg

2024年1月に本格的な稼働が始まった第二生産棟(ビンズオン省) TOMOHIRO IWANABEーNEWSWEEK JAPAN

PEWVNが工場を構えるビンズオン省ではオフィスや工業団地、行政施設、大規模マンションが集まるビジネスエリアが造られており、まさに「新しい都市」が生まれようとしている。その開発にも、現地の大手不動産会社と日本の東急がパートナーシップを結んだ合弁会社「ベカメックス東急」が携わっている。

設計部部長の釣佳彦は、今日のベトナムの社会経済状況について「1975年の日本と2020年のベトナムの人口ピラミッドを比べるとよく似ていて、働き手が豊富で成長過程の国だと分かる」と指摘する。

「老齢人口比率はそれぞれ8.0%と7.5%。また、ベトナムでは22年に1人当たりGDPが4000ドルを上回ったが、この水準は日本で住宅販売市場が急拡大した70年代と重なる」

共通点の多い2つの人口ピラミッド

さらに、パナソニックEW電材&くらしエネルギー事業部の松本亮によれば、ベトナムをベースにASEANへの「輸出も強化していきたい」考えだという。「配線器具とブレーカのシェアを盤石なものにし、カンボジアやラオスへの進出も検討している」と長期的な見通しを語る。

急速に流れ込む中国企業

PEWVNの30年来のパートナーとして販売を担うナノコグループは、全国57省6直轄市をカバーするサプライチェーン網を構築している現地代理店。ルーン・リュク・ヴァンCEOは今後の展望について「配線器具のベトナムでの販売にはまだ十分な伸びしろがある」と、強気な姿勢だ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国が対米報復関税、小麦などに最大15% 210億

ビジネス

中国、半導体設計で「RISC─V」の利用推奨へ=関

ワールド

欧州委、8000億ユーロ規模の防衛計画提案 共同借

ビジネス

トランプ政権の関税措置発動、企業の不確実性は解消せ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
2025年3月11日号(3/ 4発売)

ジャンルと時空を超えて世界を熱狂させる新時代ピアニストの「軌跡」を追う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 2
    「浅い」主張ばかり...伊藤詩織の映画『Black Box Diaries』論争に欠けている「本当の問題」
  • 3
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 4
    アメリカで牛肉さらに値上がりか...原因はトランプ政…
  • 5
    イーロン・マスクの急所を突け!最大ダメージを与え…
  • 6
    ニンジンが糖尿病の「予防と治療」に効果ある可能性…
  • 7
    バンス副大統領の『ヒルビリー・エレジー』が禁書に…
  • 8
    米ウクライナ首脳会談「決裂」...米国内の反応 「ト…
  • 9
    世界最低の韓国の出生率が、過去9年間で初めて「上昇…
  • 10
    ボブ・ディランは不潔で嫌な奴、シャラメの演技は笑…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天才技術者たちの身元を暴露する「Doxxing」が始まった
  • 4
    ニンジンが糖尿病の「予防と治療」に効果ある可能性…
  • 5
    富裕層を知り尽くした辞めゴールドマンが「避けたほ…
  • 6
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身…
  • 7
    「浅い」主張ばかり...伊藤詩織の映画『Black Box Di…
  • 8
    「絶対に太る!」7つの食事習慣、 なぜダイエットに…
  • 9
    アメリカで牛肉さらに値上がりか...原因はトランプ政…
  • 10
    ボブ・ディランは不潔で嫌な奴、シャラメの演技は笑…
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中