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心理学教授が撮ったこの「特別でない」写真に何を見出せるか
こうした構図への審美眼は、デルガードにとって持って生まれたものかもしれない。彼の父方の祖父は写真家であり、父親も熱狂的なアマチュア写真家だった。また、母方の祖父はセビリア美術館でガイドをしていた。そのため幼い頃から絵画や写真に囲まれて育ってきたという。とはいえ、ヴィジュアル的な審美眼だけでは、作品はあまり魅力のないものになっていただろう。
彼の本当の持ち味は、日常的な風景に潜むシュールな感覚、見る者に何か取り憑かれてしまうかのような錯覚を与える感覚だ。時に孤独で切なく、ダークな匂いさえする感覚である。
たぶんそれは、デルガード自身も言うように、彼の職業的アイデンティティーと自らの性格に大きく起因している。なぜなら彼は、人生の大半を心理学者として過ごし、人間の精神性をさまざまな方法論で繊細に研究し目の当たりにしてきた。また、彼自身、非常に内向的で鬱的な一面を持っているという。
言ってみれば、さまざまな問題を抱えた現代社会と彼自身という2つのベクトルを持った内面性が、デルガードの作品には投影されているのである。そして、閉塞感や不確実性が世界的に広がって見える今、見た目には日常的とも言える彼の作品の中にそれを見出して、多くの者が共鳴を覚えるのだろう。
ちなみに、写真は趣味に過ぎない、とデルガードは言う。だが現在、心理学と写真の関係も教え始めている。将来、さらなる境地の作品を見せてくれるかもしれない。
今回ご紹介したInstagramフォトグラファー:
Alfredo Oliva Delgado @alfredooliva
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