イスラエル、ガザ軍事作戦拡大 国連診療所などへの攻撃で60人死亡

イスラエルのカッツ国防相は2日、パレスチナ自治区ガザで軍事作戦を大幅に拡大すると発表し、広範囲を制圧してイスラエルの安全地帯に加える方針を示した。3月19日、写真はイスラエル側からガザの模様(2025年 ロイター/Amir Cohen)
[エルサレム 2日 ロイター] - イスラエルのカッツ国防相は2日、パレスチナ自治区ガザの広範囲を制圧してイスラエルの安全地帯に加える方針を示した。住民の大規模な避難を実施し、軍事作戦を大幅に拡大する。
同相は声明で、戦闘が起きている地域から住民を大量に避難させるとし、戦争を終わらせる唯一の方法として、イスラム組織ハマスを排除しイスラエル人人質を返還するようガザ住民に呼びかけた。
ネタニヤフ首相はビデオメッセージで、イスラエル軍は現在、ガザ地区南部のラファとハンユニスの間に位置する「モラグ」地区を制圧中と明らかにした。この地区はガザ地区の南部の境界線から3─4キロメートルの地点にあり、以前イスラエルの入植地があった。
ネタニヤフ氏は「ガザ地区を分断し、段階的に圧力を高めることで人質の解放を迫っている」と表明。ラファとハンユニスを分断する作戦により、イスラエルはガザ南部で「フィラデルフィ回廊」に続く2つ目の回廊を制圧下に置くことになるとした。フィラデルフィ回廊はエジプトとの国境に沿った回廊で、イスラエルはこの地域をガザ地区への武器搬入の重要拠点と見なしている。
ガザ保健当局によると、2日のイスラエル軍の攻撃で少なくとも60人が死亡した。避難民の収容施設として使われている国連診療所への攻撃では、子どもを含む19人が死亡したという。
イスラエル軍は、以前に診療所として使われていた建物を攻撃したと発表。この建物はハマスの攻撃計画のための指揮統制センターとして機能していたという。イスラエル軍は民間人への危険を軽減するために監視カメラを使用したとしている。
ハマスは同建物を軍事目的に使用したことを否定し、イスラエルの発表は「あからさまなねつ造」だと述べた。
イスラエルが今回の作戦でどの程度広い区域を制圧する方針かは不明だが、イスラエルの人権団体ギシャによれば、イスラエルはすでに同地区総面積の約17%にあたる約62平方キロメートルを制圧している。戦闘開始前からガザの境界周辺に存在していた地帯を拡大したほか、ガザ中部の「ネツァリム回廊」に大規模な安全地帯を設けた。