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情報BOX:世界が震撼、トランプ大統領が打ち出した相互関税とは

2025年04月03日(木)14時42分

 4月2日、トランプ米大統領は、日本を含む全ての貿易相手国・地域を対象とする相互関税措置を発表した。ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)

[ワシントン 2日 ロイター] - トランプ米大統領は2日、日本を含む全ての貿易相手国・地域を対象とする相互関税措置を発表した。世界の貿易システムを揺るがす相互関税のポイントを以下にまとめた。

<主要貿易相手国に高関税、ロシアは除外>

相互関税は、貿易相手国・地域の為替操作など米国製品に不利な貿易障壁をなくすことが目的とされる。全ての輸入品に一律10%の基本関税を課した上で、各国・地域の関税や非関税障壁を考慮し、税率を上乗せした。

税率は欧州連合(EU)が20%、日本は24%。

2024年の対米貿易黒字が2950億ドルと最大だった中国の税率は34%。中国に対しては、米国のフェンタニル問題を巡り2月に20%の関税を発動しており、これと合わせると54%に達する。トランプ大統領は昨年の大統領選で、中国製品に60%の関税を課すと表明していた。

このほかアジアではベトナムが46%、タイが36%、台湾32%、インド26%、韓国25%となっている。

昨年、対米貿易収支が赤字だった英国、ブラジル、シンガポールも基本税率の10%が課される。米政権当局者は、政策がより公正なら多くの国で対米貿易赤字が拡大すると指摘した。

ただ、24年の対米貿易収支が25億ドルの黒字だったロシアは相互関税のリストに含まれていない。

<メキシコとカナダに猶予>

中国と同様、フェンタニル問題で25%の追加関税を発動しているカナダ、メキシコも当面は相互関税の対象から外れる。25%の追加関税措置が撤廃された場合は、12%の相互関税を適用する。

米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の基準を満たす輸入品の関税免除は無期限で継続される。米自動車メーカーにとっては歓迎すべき「救済措置」となる。

<金属や自動車は対象外>

自動車・自動車部品、鉄鋼、アルミニウムといった1962年通商法第232条に基づく分野別関税を課している品目も相互関税の対象外とした。

銅、木材、半導体、医薬品など通商法232条に基づく調査を実施中、または実施する可能性のある品目も対象外になる。近日中に発表される付帯文書で、重要鉱物、エネルギー、エネルギー製品なども対象外とする見通しだ。

<発動日、法的根拠>

10%の基本税率は米東部時間5日午前0時1分(日本時間同午後1時1分)に発動し、上乗せ税率は9日午前0時1分(日本時間同午後1時1分)に発動する。

法的根拠は、2月のフェンタニル問題を巡る中国、メキシコ、カナダへの追加関税と同じく国際緊急経済権限法(IEEPA)。トランプ大統領は、24年に40%超拡大し1兆2000億ドルに達した「大規模かつ持続的」な貿易赤字を「国家の非常事態」と認定。大統領令で「貿易赤字は、貿易関係の非対称性が国内生産能力、特に米国の製造業と防衛産業基盤の萎縮につながっていることを反映する」と指摘した。

<中国からの小包免税措置を廃止>

トランプ大統領は2日、中国からの小口輸入品に対する関税免除措置(デミニミス・ルール)を廃止する大統領令にも署名した。この免税措置は、「Temu(テム)」や「SHEIN(シーイン)」といった中国eコマースが米国で人気化するのに一役買ったとされている。トランプ政権はフェンタニル問題に関連してこの免税措置を廃止しようとしたが、関税徴収手続きの負担などを考慮し見送っていた。

ロイター
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