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中国の旅行会社が「新シルクロード」に日本メディアを招待した理由
日本の若者たちに海外を見てもらいたい
このツアーは参加者に大きな衝撃を与えていた。なかでも最大の衝撃を受けていたのが私の息子だ。実は彼が大学に進学する時、中国の大学を受験したらどうだと勧めたことがある。世界的な経済大国へと成長した中国に住むことは、彼の人生にとって大きなプラスになると考えたからだ。
ところが我が息子は「汚いからいやだ」といった軟弱な理由で断った。子供の頃に連れて行った時にあまりいい思い出がなかったのだろう。大学では中国文学を専攻し『西遊記』で卒論を書いたというのに、在学中は中国を訪問することはなかった。小説の中の中国と現実の中国とは別物だとの思いのようだ。
だが、今回の旅で中国のイメージががらりと変わったらしい。新疆ウイグル自治区トルファン市に近い火焔山は『西遊記』の名場面として知られる。今では観光地としてあちらこちらに孫悟空の像などのモニュメントが建てられている。この地を訪ねたことで、息子の中でも中国文学と現実の中国とが一致したようで、驚きのあまり目を丸くしていた。
「もし将来大学院に進むことがあるなら、中国に行ってもいいかもしれない」。旅の最後にはそんなことを言うようになっていた。
たった8日間の体験であっても、人間の考えはがらりと変わる。最近の若者は海外旅行を好まないという。お金がない、ネットを見れば海外の情報はだいたい入ってくるなどさまざまな理屈があるようだが、私に言わせればばからしい。現地を見ること、稲妻のような衝撃的体験をすること。これは金では買えないもの、ネットでは得られないものなのだ。
日本の若者たちよ、金銭的に無理をしてでも海外を見てほしい。それが君たちにとっての財産となるはずだ。
「新長安・新シルクロード・新夢路視察団」の団長である私・李小牧も、故郷からはるばる離れた日本での体験と生活によって今の地位を築いたのだということを言い添えておこう。
【参考記事】ロンドン直通の「一帯一路」鉄道で中国が得るもの
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