- HOME
- コラム
- CYBER × INTEL
- 中東の混乱、真の問題は「宗教」ではない...サイバ…
中東の混乱、真の問題は「宗教」ではない...サイバー戦争を軸に「地政学」の全貌を読み解く
サウジやUAEが求めるイスラエルのサイバー技術
さらにハイブリッドな工作では、2011年にイランはアメリカの高高度ステルス無人偵察機である「RQ-170センチネル」のコントロールをサイバー攻撃で奪って不正に操作し、イラン国内で着陸させた。これもイランの電子戦の能力を証明したと話題になった。2020年7月にも、イスラエルの水道供給を妨害しようと、大規模なハッキングをイランは実施している。
今回のイスラエルへの大規模攻撃を行ったガザ地区を拠点にするハマスは、イランから支援を受けているとも指摘されているが、そんなイランに対しては、イスラエルやアメリカのみならず、サウジアラビアなども絶え間なくサイバー紛争を繰り広げている。
イランは主に自国でサイバー開発を進めてきたが、サウジアラビアやUAE(アラブ首長国連邦)は、数十年にわたって技術大国として知られてきたイスラエルの最新のサイバー技術を入手するためにイスラエルとの提携を強めてきた。さらにサウジアラビアは、アメリカやイギリス、イスラエルなどの民間請負業者に、サイバー攻撃のための特注ツールの製造を委託してきた。
イスラエルは、サイバー攻撃だけなく、長年にわたって、レバノンやシリア、イラク、そしてイランに対して破壊活動と秘密工作を実施してきた。イランの核開発に関わる科学者などを何人も暗殺してきたと名指しされ、2020年11月にも遠隔操作のロボットを使用して、イランで最も著名な核科学者モフセン・ファクリザデを暗殺している。これはサイバー領域とのハイブリッド作戦とも言える。イスラエルは普段からイランの軍事・核開発計画に関連する拠点への妨害工作を展開しているのである。
今後、イランの核開発計画をめぐる西側諸国とイランとの交渉の如何に関係なく、イランとイスラエルはサイバー攻撃など秘密工作を戦術的にエスカレートさせていく可能性が高い。だがそれだけではない。中東地域は、イスラエルとパレスチナの紛争を超え、地政学的にからんだ紛争がサイバー領域でも引き続き繰り広げられることになるだろう。その火花は、日本を含む世界にも降りかかることを忘れてはいけない。
中国政府系グループによる「史上最大の富の移転」...トランプ次期政権の対抗策は? 2024.12.24
ファイブ・アイズ情報長官が警告する「中国ハッカーの脅威」に並ぶ、イラン組織の危険度とは? 2024.09.09
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
経験1年必須/ITコンサル/SE/Sierからコンサルタントへ/外資系プロジェクト有/残業少
株式会社ノースサンド
- 東京都
- 年収500万円~1,600万円
- 正社員
-
経験者優遇!Recruitment Consultant「外資系製薬・メディカルデバイス領域専任」
株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント
- 東京都
- 年収550万円~1,500万円
- 正社員
-
「外資系クライアント支払コーディネーター」英語力を活かす!“サポートする”やりがい+働きやすい職場環境
RSM汐留パートナーズ株式会社
- 東京都
- 年収350万円~500万円
- 正社員