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大阪・小4女児行方不明から20年──事件現場に見る、犯罪が起きやすい場所の条件
(写真はイメージです) Hakase_-iStock
<犯罪者は、2つの条件が満たされた場所を選んで犯行に及んでいる>
大阪府熊取町で2003年、小学4年生の吉川友梨さんが行方不明になった事件は、今月20日で発生から20年を迎える。
友梨さんは午後3時ごろ、熊取町立北小学校から下校中に行方が分からなくなった。同級生の女子児童3人と下校したが、自宅まで約400メートルの路上で、同級生の男子児童とすれ違った後、足取りが途絶えている。
古い型式の白色トヨタ・クラウンの助手席に女児が乗っていた目撃情報があり、警察はこの車の男が友梨さんを連れ去ったとみているようだが、捜査は難航し、未解決である。
ご両親の心痛は察するに余りあるが、あろうことか友梨さんの救出話を持ちかけ、ご家族から7000万円をだまし取った男女がいた。他人の気持ちを想像できないという点では、誘拐犯と何ら変わりがない。
20年という月日は、ご両親にとっては無限にも思えたに違いない。時間は容赦なく流れる。しかし、ご両親には希望を捨てないでほしい。
アメリカのカリフォルニア州サウス・レイク・タホで起きた誘拐監禁事件では、18年の監禁から被害者が解放された。日本でも、約10年の監禁から解放されたケースがある。新潟県三条市で誘拐され、同柏崎市で監禁されていた事件だ。奇しくも、この被害者が誘拐されたのも、熊取のケースと同じ、小学4年のときである。──まだまだ救出される可能性はある。
現場は犯罪者が好む典型的な場所だった
筆者も、2007年に現場を訪れ、女児が事件当時通っていた小学校の校長に案内していただいた。特に印象に残っているのは、現場に到着し、車から降りた直後、校長が発した第一声だ。
「先生、見てください。こんな普通の、危なくない道で誘拐されたんですよ」。
しかし、そこは犯罪者が好む典型的な場所だった。
「いやいや、校長先生。ここは、ものすごく危ない道ですよ」――そう答えると、校長は青ざめ、同行した人たちも不穏な空気を察し、互いに顔を見合った。
では、筆者はなぜ、その道を危険と判断したのか。
それは、「犯罪機会論」の「ものさし」で測れば、危険と判断せざるを得なかったからだ。
犯行のチャンスをなくそうとする「犯罪機会論」は、防犯対策における世界の常識、つまりグローバル・スタンダードである。しかし、日本ではその普及が相当に遅れている。日本では、犯行の動機をなくそうとする「犯罪原因論」が支配的だからだ。
「犯罪機会論」は、犯罪の動機を抱えた人が犯罪の機会に出会ったときに初めて犯罪は起こると考える。動機があっても、犯行のコストやリスクが高く、リターンが低ければ、犯罪は実行されないと考えるわけだ。
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