- HOME
- コラム
- Edge of Europe
- イギリス政権交代の本当のカラクリ
イギリス政権交代の本当のカラクリ
とはいえ実際、彼はなんにしろ勝つことなどできなかっただろう。2つの重要な問題で、国民は保守党政権に背を向けていた。1つには、公共サービスの失敗、特に国民保健サービス(NHS)の悲惨な現状だ。
2つ目には、移民問題。純移民数は依然として減らず、大規模な不法移民の流入が続いている。奇妙なことだが、5年前に保守党に票を入れた人々が今では、「14年間に及ぶ保守党政権の失態」を振り返っては口にしている。
労働党がもっとうまくやれるかどうかはまだ分からない(「これ以上ひどくやりようはないだろう」と人々は言っている)。とはいえ、スターマーが公約していることは、概して国民に受け入れられるものだ。
ブレグジットを考え直すことはしないと言っているし、移民をきちんとコントロールするとし、NHSを立て直すために措置を講じると表明し(ただしそれには時間がかかるだろうと賢明にも付け加えて言っている)、急進主義に走らず信頼に足る経済政策を取ると話している(市場は労働党大勝利の結果に警戒の反応は見せていない)。
中道的なテクノクラート
上記の全てにおいて、スターマーは労働党の前任党首のジェレミー・コービンとは全く異なる政治的生き物であることを証明した。コービンは急進的な社会主義政策で労働党のコア支持層を熱狂させた。スターマーはどちらかというと中道的で、「テクノクラート」と呼ばれることもある。
しかし、彼について最大限に悪いことを言うとしたら、彼は明らかに政治家魂を欠いた政治家だということ。また、現時点でイギリスの有権者は、他のどの選択肢より彼がマシだと判断した、と言うこともできるだろう。
2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
2025年、ついにオアシス再結成......その真実を語ろう 2025.01.08
土地持ち農家は高額な相続税を払え...英労働党の新方針が農村部で大不評 2024.12.27
シリアに散った眼帯のジャーナリスト...アサド政権崩壊で思い返したいこと 2024.12.12
バックパックを背負った犬が歩くたび、自然が蘇る未来 2024.12.06
イギリスを悩ます「安楽死」法の重さ 2024.12.04
引責辞任したカンタベリー大主教のセレブで偽善的でえげつない素顔 2024.11.30
トランプを勝たせたアメリカは馬鹿でも人種差別主義でもない 2024.11.27
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員