- HOME
- コラム
- Edge of Europe
- 共産党支配に苦しんだ国のはずなのに...スロバキア…
共産党支配に苦しんだ国のはずなのに...スロバキアで体感した「親ロシア」の謎
でもスラビンの記念碑は汚れ一つないだけでなく、スターリンが事実上ヒトラーに代わって新たな占領者になっただけだという意味合いは全く匂わせず、2015年に改良工事まで行われていた。もちろん解放70周年記念の年ではあったのだが、ロシアがクリミア半島に侵攻した翌年でもあった。ロシア軍をあえて記念しようとするには奇妙なタイミングだ。
個人的には、その場所を訪れて「複雑な気持ち」になる可能性もあった。彼らは新たな暴君に仕えていた兵士だったかもしれないが、故郷を遠く離れた地で残忍なナチス軍と戦い亡くなった若者たちでもあった。ヒトラーを倒すために多くの戦いを担い、多くの犠牲を生んだのはソ連軍兵士であったことは、西側にとってもきまりの悪い公然の秘密だ。人類の自由と国家の主権にとって、ソ連は恐ろしい敵だったという僕自身の考えはそのままに、彼らの犠牲には敬意を払うべきだと僕は感じた。
それでも、スロバキアの市民が彼ら「解放者」に感謝よりも怒りを感じないでいられるのは、理解し難かった。チェコスロバキア(当時)の発展は数十年も停滞した。スロバキアの共産党指導者アレクサンデル・ドゥプチェクが自由化を図ろうと「プラハの春」を進めると、ソ連はただもう単純に侵攻して自由化を阻止し、あらゆる反対派をつぶした(1968年)。
イギリスによって「売り渡された」歴史
僕はスロバキアには特派員というよりも観光客の立場で滞在したが、もう1つ出会ったものが、僕に考察の材料を与えてくれた。僕はオーストリア国境に向かって、ブラチスラバ郊外の森の中へと足を踏み入れた。奥深くには、第1次大戦後にチェコスロバキアが成立した当時に建てられたバンカーが数多く残されていた。そのうち5つを訪れたが、森の奥深くにあってなかなかたどり着けない物もあった。僕は何度か方向感覚を失いそうになり、怖い思いをした。陰鬱に打ち捨てられたコンクリート製のバンカーは、薄気味悪かった。
重要なのは、これらが重大な要塞の数々だったのに、イギリス史上最も恥ずべき瞬間の一つである1938年のミュンヘン協定によって、その重要性が失われてしまったことだ。ヒトラーのドイツ(既にオーストリアを併合していた)はチェコスロバキアのいわゆる「ズデーテン地方」をドイツに割譲するよう求めていた。多くのドイツ系が居住していた地域だ。
紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ使い回しをやめるまで 2025.04.05
お手軽スポーツ賭博がイギリスを蝕む 2025.04.02
もうアメリカにタダ乗りできない...トランプ2期目でさすがに欧州が目を覚ました 2025.03.19
イギリス流のトランプ操縦術が始動 2025.03.05
移民の多い欧州の国々で増え続けるテロ事件...「防止」組織はテロを止められるのか 2025.03.01
政治改革を「いかにもそれやらなそう」な政党がやるとどうなるか 2025.02.15
「嫌な奴」イーロン・マスクがイギリスを救ったかも 2025.02.07
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
外資系アカウント向けのソリューション提案
ジョンソンコントロールズ株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員
-
「セキュリティスタッフ」東京駅・皇居周辺の一流外資系企業・5つ星ホテル・高級ブランドショップの安全を守る仕事
株式会社ビーテックインターナショナル
- 東京都
- 月給26万円~40万円
- 正社員
-
週3在宅勤務/人事労務担当・リーダー候補 外資系企業の給与計算・社会保険/フレックス/年休124日
永峰・三島コンサルティング
- 東京都
- 年収400万円~700万円
- 正社員