- HOME
- コラム
- Edge of Europe
- 僕が「好きじゃない」ホームレスを「支援したい」理由
僕が「好きじゃない」ホームレスを「支援したい」理由
イギリス中部の都市バーミンガムのホームレス Darren Staples-REUTERS
<イギリスでは一時期改善していたホームレス問題がここ数年の緊縮財政で再び悪化。彼らにカネを恵むのではなく真の解決を図ることにはさまざまな利点があるはず>
ひどいと思われるかもしれないが......僕はホームレスの人々が好きではない。だから、彼らを救うためにもっと対策が取られるべきだと切望している。どうか、僕の一見すると薄情で、矛盾しているようにも見える考えを説明させてほしい。
昨年、僕の家のすぐ前でケンカが起こり、あまりにすさまじい罵り合いが聞こえてこれは暴力沙汰になるぞと思ったので、警察に電話しなければならなかった。何が起こっているのかは見えなかったが、声ははっきりと聞こえたので2つのホームレスのグループが衝突しているのが分かった。こうしたトラブルはそう珍しいことではない。
警察が到着するまでに、女性1人がおなかを殴られ、男性1人が頭のあたりを打ちのめされていた。この男性は路上を数百メートルふらついて道の真ん中で倒れ、ひどく出血していた。1人の男性が警察に繰り返し、このけがした女性は「ほんの2日前に昏睡状態から覚めたばかりなんだ」と話していたのを僕はよく覚えている。
この事件は、僕の静かな夜をぶち壊しにした。どれだけのものが費やされたかも考えずにはいられなかった。国民保健サービス(NHS)と警察がどうしようもなく人手不足なこのご時世に、このけんかのせいでパトカー2台と、おそらくは退院間もない女性を再び病院に運ぶ救急車1台が必要になった。
ホームレスは、飲酒やドラッグといった理由で、病院などの公共サービスを不釣り合いなほどによく使う人々だ。さらに彼らは、初期症状のうちに一般病院を受診するのではなく、深刻な事態になってから救急センターに行くことが多い。こうして彼らは「超」最高額の治療を受けることになる。
ホームレスは明らかに「緊縮財政のイギリス」下で再び増加している。この問題は1980年代と90年代に深刻だったが、ブレア政権の政策によって長年、劇的に減少してきた。だが今となっては、僕が日々思い知らされるほどに、この問題は復活してしまった。
中流層の有権者たちがカギになる
ホームレスは町中至る所で物乞いをしている。僕は1日に何度も「カネを恵んでもらえないか」と頼まれることがある(時には外出中、1~2時間に4回も遭遇することもある)。
正直に言うと、特にその人物が少し前にその公園で強いシードルをがぶ飲みしているところを見ていたりなんかすると、僕はムッとしてしまう。ある時は1人の男が、カネを恵んでほしいと丁重に頼んできたが、明らかにその前の晩に、「鼓膜を殴りつけてやろうか」と酔っ払って僕を脅してきた男だった(その晩、僕が彼の言葉を無視したのでからまれた)。
ホームレス慈善団体は、カネを恵むことはホームレスを助けることにならないと指摘している。そうしたカネの大半はドラッグに費やされるだけだ。事実上、彼らが自滅的なライフスタイル(彼らの平均寿命は47歳だ)を続けられるよう手を貸すことになってしまう。
2025年、ついにオアシス再結成......その真実を語ろう 2025.01.08
土地持ち農家は高額な相続税を払え...英労働党の新方針が農村部で大不評 2024.12.27
シリアに散った眼帯のジャーナリスト...アサド政権崩壊で思い返したいこと 2024.12.12
バックパックを背負った犬が歩くたび、自然が蘇る未来 2024.12.06
イギリスを悩ます「安楽死」法の重さ 2024.12.04
引責辞任したカンタベリー大主教のセレブで偽善的でえげつない素顔 2024.11.30
トランプを勝たせたアメリカは馬鹿でも人種差別主義でもない 2024.11.27
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員