コラム

久々の日本でまだ続いていた車優先社会

2018年02月07日(水)16時40分

歩行者の赤信号横断にはやたら厳しい

でも残念ながら今回の日本訪問で僕はたびたび、問題は全体的に見れば解決されていないと思わされる場面を目にした。車が支配者で、苦しめられるのは歩行者のほう。信号のない横断歩道で人が渡ろうとしているのに車が止まることがほとんどないのには、すごくイライラさせられる。法律は極めて明確なはず。車は停止しなければならない(そしてイギリスでは皆そうしている)。

それから、交差点で信号が赤に変わるときに、少なくとも1台、大抵は2~3台の車が突っ込んでくることが多いのも目についた。黄色信号の意味は「減速せよ」であって「加速せよ」じゃない! 時には大きな交差点のすぐ前に交番があったりするが、警察官はこの行為を見て見ぬふりをしている。それなのに、横断歩道の信号が赤で、車が来ていないからといって歩行者が渡ろうとする行為は、日本では許されざることになるのだ。

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プロフィール

コリン・ジョイス

フリージャーナリスト。1970年、イギリス生まれ。92年に来日し、神戸と東京で暮らす。ニューズウィーク日本版記者、英デイリー・テレグラフ紙東京支局長を経て、フリーに。日本、ニューヨークでの滞在を経て2010年、16年ぶりに故郷イングランドに帰国。フリーランスのジャーナリストとしてイングランドのエセックスを拠点に活動する。ビールとサッカーをこよなく愛す。著書に『「ニッポン社会」入門――英国人記者の抱腹レポート』(NHK生活人新書)、『新「ニッポン社会」入門--英国人、日本で再び発見する』(三賢社)、『マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉』(NHK出版新書)、『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』(三賢社)など。

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