米からスイスに金地金が戻り始める、トランプ関税対象から除外で

4月17日、米関税を見越したトレーダーが昨年12月以来ニューヨークに輸送していた金地金が、スイスへ送り返されていることが公式データで明らかになった。写真は1月、ミュンヘンで撮影(2025年 ロイター/Angelika Warmuth)
[ロンドン 17日 ロイター] - 米関税を見越したトレーダーが昨年12月以来ニューヨークに輸送していた金地金が、スイスへ送り返されていることが公式データで明らかになった。
17日に発表されたスイス税関統計によると、同国の米国からの金輸入量は3月に25.5トンと、2月の12.1トンから拡大し、13カ月ぶりの高水準に達した。スイスから米国への金輸出は前月比32%減の103.2トンだった。
CMEグループ傘下のCOMEXが承認する米国の倉庫では、14カ月ぶりに8日連続で金の流出を確認。12月から3月にかけては輸入が打撃を受けるとの見方から、800億ドル以上相当の金、銀、プラチナがCOMEX倉庫に搬入され、物流会社やスイス精錬所は通常よりも忙しくなっていた。
しかし、2週間前に米国がトランプ大統領の相互関税対象からこれらの金属を除外したことで、金や銀をニューヨークへ輸送する緊急性はなくなり、フローは徐々にスイスへと逆戻りしている。
COMEX金在庫は、4月4日に史上最高の4510万オンスを記録して以来、150万オンス(48億ドル相当)減の4360万オンス(1357トン)となっている。トランプ氏が再選された昨年11月の1710万オンスから上昇を始めていた。