- HOME
- コラム
- パリの欧州・EU特派員
- なぜドイツで極右AfDが躍進しているのか──5つの…
なぜドイツで極右AfDが躍進しているのか──5つの理由と、東側ブロック崩壊35年で「反動の時代」
「反動の時代」は西側にも広がるか
東側ブロックが崩壊し東西ドイツが統一、共産主義が終わりを告げて35年経ったが、今は反動の時代のように見える。
東ドイツ地域では、トップに権威的な人物を求める声が広く存在している。長年にわたり、東の多くの州では、有権者を市場経済の不安定さから守る父親的な政治家が、そのニーズに応えていたという。ザクセン州のドレスデンを拠点とする政治学者ハンス・フォルレンダー氏は『シュピーゲル』で指摘した。
これは東ドイツ地域特有の現象ではないようだ。東側ブロックにいたハンガリーのオルバン首相、ひいてはプーチン大統領も、この文脈で説明できるだろう。
旧東側ブロックだけとも限らないかもしれない。トランプ大統領は、父権的なイメージが比較的強いほうの政治家と言えないだろうか。
来るべきドイツの連邦議会選挙でAfDが勢力を伸ばすならば、それは西ドイツの地域でも支持を伸ばすときだ。選挙結果は、東ドイツ地域だけではなく、西ドイツ地域の人々、さらには西側の人々全体にも、「反動の時代」を問いかけることになるのではないか。
この筆者のコラム
危機下のウクライナに「ヘルメット5000個」 武器提供を拒むドイツの苦悩 2022.01.29
冷戦思考のプーチン、多様性強調のバイデン 米欧露が迎える新局面とは? 2021.12.28
タリバン、国際資金枯渇の危機:米ドルで三重苦 アフガニスタンの財源は? 2021.08.30
タリバンはなぜ首都を奪還できたのか? 多くのアフガン人に「違和感なく」支持される現実 2021.08.26
アフガン難民はどこへ? 受け入れめぐるEU加盟国の不満といさかい 2021.08.25