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「IoTに八百万の神を」内向的な電通女性クリエイターがデバイスに込める日本の心
なかのかな。上から読んでも「なかのかな」、下から読んでも「なかのかな」。
世界的ヒットとなった脳波連動コミュニケーションツール「necomimi(ネコミミ)」を開発した電通の女性クリエイターの名前だ。なかのさんは、どのようにして「necomimi」のような斬新な製品のアイデアを思いつくのか。今、彼女は何を考え、どの方向を向いているのか。直接会って話を聞いてみた。
僕がなかのさんの存在を最初に知ったのは、ずいぶん前のことだ。2010年ごろだったと思う。スマートフォンのカメラを通じて周辺を見渡すと、蝶々が見える。スマートフォンを虫取り網に見立てて、その蝶々を取ろうとスマホを振りかざすと、蝶々とともに情報や広告を取り込むことができる。
今で言うところのAR(拡張現実)アプリだ。しかし、その当時ARアプリなどほとんどなかったし、あっても空間にメモが浮いているだけの無骨なものが多かった。欧米の先行アプリを真似するのでもなく、遊びココロあふれたアプリのコンセプトに感心したことを覚えている。そのアプリ「iButterfly(アイバタフライ)」を開発したのが、なかのさんのチームだった。
当時わたしが編集者を勤めていたオンラインメディア「TechWave」にiButterflyのことを書いたところ、開発チームの1人、加賀谷友典さんから連絡をいただき、加賀谷さんとの友人関係が始まった。
脳波でコントロールではなくコミュニケーション
それから加賀谷さん・なかのさんを含めたチームは脳波コミュニケーションツール「necomimi」のヒットを飛ばした。「necomimi」は海外メディアなどで大きく取り上げられ、開発チームは世界各地の大きな見本市に呼ばれるまでになった。オランダの見本市に展示しにいったときには、テレビ局が取材に来たあと、見本市会場に厳戒態勢がしかれた。何事かと思うと、オランダのロイヤルファミリーのお忍びでの来場だった。幼い王子や王女が、大喜びでnecomimiを装着して遊んだ。
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