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社長が好む正しい残業とは──どうせ残業するなら社長に気に入られるやり方をしよう
残業はゼロにすればいい、と思ったら大間違い djedzura-iStock.djedzura-iStock.
<できる経営者は真剣に長時間労働の削減に取り組んでいる。だが、定時に帰ってばかり、というのはダメ社員。どうすればいい?>
仕事と生活の調和「ワークライフバランス」を考えたとき、残業は大きな問題です。私は残業のことを、プロ野球でいうところの「延長戦」だと考えており、毎日残業している人は、毎日「延長戦」をやっているようだと指摘することもあります。労働条件の悪い「ブラック企業」とレッテルを貼られる前に、不毛な残業は一掃しましょう。
私は現場へ入って、目標を絶対達成させるコンサルタントです。
目標を絶対達成させるには、これまでの仕事のやり方をリセットし、試行錯誤を繰り返しながら新しいことにチャレンジしてもらう時間的余裕をつくる必要があります。
何か新しいことをするたびに労働時間が増えては現場の士気が下がるからです。したがって、私たちが現場に入るとき、本気で残業を減らしてもらいます。
これまでの経験上、残業を減らすには、業務分析、業務棚卸し、ダンドリ技術など......は二の次。テクニックを使っても、ほとんどの組織では残業を減らすことができません。
なぜなら残業問題は「文化」だからです。どんなに高等なノウハウやテクニックを紹介し、実践してもらおうと思っても、
・残業しても許される「空気」
・残業したほうが頑張っていると評価される「空気」
・残業するのが「あたりまえ」だと信じて疑わない「空気」
が組織にある限り、残業は減らないのです。残業ゼロにしたい、残業を減らしたいと口にはしていても、実際にはその「空気」が許さない。残業を削減させるためには、組織風土そのものを変えなければならないと肝に銘じましょう。
惰性の残業は見ればわかる
昨今、多くの企業が残業削減に取り組んでいます。とりわけ経営者は、強い危機感をもって長時間労働を是正してもらいたいと考えています。とはいえ「1年間残業ゼロ」にすることは現実的ではありません。残業しなければならないときにも定時退社するような社員ばかりでは困るのです。
やるときはやる。やらないときはやらない。......この姿勢が社長が好む残業のやり方です。
社長は現場をくまなく見つめることができないため、1カ月などの単位で日々の残業状況をチェックするぐらいしかできません。しかし、時系列で残業状況を追っていくだけで、正しい残業のやり方と、正しくない残業のやり方とを区別することができます。
社長が好まない残業をしている人は、毎日のように夜9時まで残っている、たまに夕方6時半に退社しているときがあると思っていたら、その日は飲み会だった。......このような人。
仕事が終わっていても夜9時までいますし、仕事が終わらなくても夜9時になったら帰る人です。仕事の量に関係なく、明らかに組織の空気に振り回されている人だと言えるでしょう。残業している割には仕事を処理する量も少なく、やり切る習慣がありません。
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