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日本学術会議問題を「総合的俯瞰的に」考察して浮かび上がった、菅総理の驕り
強大化する隣国中国と欧米の「普通の国」と連携して対峙していくために、日本も「普通の国」としての法整備を急いだのだと思う。
ここでは、日本は「普通の国」になるべきか「特別の国」であるべきか、や、集団的自衛権が違憲かどうかについては論点でないので、深入りせず対立軸として提示するに留める。
III. 枠組化
これらの2種類のキーワードを組み合わせてマトリックスにして俯瞰して考えてみる。
日本において現実の政権運営を担う与党の保守系議員は現実主義者であり、現実的な軍事的脅威に敏感で、それらの脅威に対して「普通の国」として対応したいと動く(A①)。それに対して学者(文系中心で理系はあまり関係ないという指摘もありうるが)の多くは、湯川秀樹教授以来、理想主義的に平和国家日本を語る事が多い(B②)。もちろん学問の自由なので、B①にも学者は存在する。また、弁護士等の野党議員は、実行力がないと批判されながらも「特別の国」としての日本を守るべく護憲活動に熱心だ(A②)。
IV. 具体化
最後に、個別名を入れてみて、構造化してみた枠組みを検証してみる。
A①は安倍政権保守本流の政治家達であり、その後継者としての菅総理がB②の6名の教授の任命を拒否したことから事が対立が始まっている。「普通の国」を目指す保守「政治家」達と「特別な国」を志向する一部の「学者」達の対立だ。(対立軸 I.)
また当然、野党は菅政権批判の最初で最大の攻め口と怪気炎を上げている。また、自民党議員の中にも非主流派においては健全な批判もある。(対立軸 II.)
かつて学術会議の長老とも喧嘩し、自民党の憲法改正論議もリードしてきた大物学者小林節氏が、今回のケースでは憲法23条の学問の自由を侵害する「任命拒否は許せない」と菅総理を激しく糾弾しているのも興味深い。 (対立軸 III.)
#排除する政治~学術会議問題を考える:学術会議は問題あるが...それでも小林節氏が首相を糾弾する理由
一方で、こちらも大物学者の村上陽一郎氏などは、問題が顕在化した直後に、「学問の自由」の侵害よりも、「日本学術会議」の特殊性が問題だと指摘している。(対立軸 IV.) (但し、村上陽一郎氏はその後沈黙)
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