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日本学術会議問題を「総合的俯瞰的に」考察して浮かび上がった、菅総理の驕り
いずれにしても、このように「総合的かつ俯瞰的」に、図を見てみると、菅総理がどの領域からも攻められている構図が伺える。
健全な政権批判に人事で反応する安倍政権の悪癖を踏襲するのか
任命されなかった宇野重規教授、芦名定道教授、岡田正則教授、小沢隆一教授は、新安保法制は憲法違反であると反対する立場をとり、松宮孝明教授は共謀罪を批判する意見を国会で述べ、加藤陽子教授などは秘密保護法の危険性について指摘していた。
なぜ憲法学者は「集団的自衛権」違憲説で一致するか? 木村草太・憲法学者
彼らは、「特別な国」として戦前の日本の反省から作り上げた現行憲法上の解釈問題を専門家として論理的に指摘したに過ぎない。
これらの学者を、政権の意向に従わなかったという理由で、任命しないのは多くの人が指摘する通り、人事で国家機関の制御を図る事を好む安倍政権の性格をまさに踏襲するものだ。
民間企業の感覚で例えるのは適切かわからないが、社長が自分がやりたい施策について法務部門に法的リスクを照会したとして、法務部門が経営会議で法的リスクを指摘し反対するようなものだ。法務に聞けば、法務としての回答が来る。ただ、さらに例えていうなら、「その経営会議」で「正論をぶつけ反対した法務担当」が5年後、新社長にいきなり左遷されたり解雇されたりするような、陰湿で気持ち悪い報復人事だ。
憲法学者には、現実の安全保障リスクを負う責任はない、あくまで法学者として専門家の立場で指摘や批判を行うのみだ。それを聞いた上でまさに「総合的」「俯瞰的に」に最終判断を行うのが政治家の役割だと思う。
先に述べたように、アメリカが国際的役割を縮小させることで生じる空白を埋め、不安定化するアジアの安全保障環境に現実的に対応した安倍政権の外交を(方法論の是非は別として)個人的には評価している。
総理の判断の理由が理解できないのは、国の政策に批判的だっただけで、何故、組織の人事に介入することに政治リスクをとってまでこだわったのかということだ。
カウンターデモクラシーへの不寛容
為政者が以前よりもカウンターデモクラシーに寛容で居られなくなった傾向が構造要因として考えられる。
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