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オーストラリアの診察室から

高尾康端|オーストラリア

オーストラリアの都会でも見られる生き物

画像: Andrew Bertuleit-iStock

オーストラリアは都会でも様々な生物と遭遇します。オーストラリアで三番目に人口の多いブリスベンでも例外ではありません。

カンガルー

野生のカンガルーはブリスベン近郊でも見られることがあるようです。ブリスベンから1時半から2時間ぐらいのサンシャインコーストではより高い確率で野生のカンガルーに出会える可能性があります。ゴルフコースにでてくることもあるようです。都心部以外ではカンガルーが急に道路に飛びだしてきて、事故になるという話をよく聞きます。車がカンガルーと衝突しても大丈夫なようにルーバーつけている車もいます。

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画像: ndrea Geiss-iStock

コカトゥー

都会に住んでいても夜この鳥の声に起こされることはよくあります。コカトゥーは日本ではキバタンと呼ばれる白い体に頭に黄色いトサカのあるオウムです。きれいな鳥ですが、鳴き声が大変うるさく睡眠の妨げに頻繁になります。

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画像: Tatiana Dyuvbanova-iStock

マグパイ

マグパイはカササギフエガラスという体の大部分が黒色で、羽とくちばしに白い部分がある鳥です。オーストラリアではよく見かける鳥なのですが、マグパイの繁殖期となる6月から12月には人やペットを襲うことで有名です。基本的に動いている物を敵とみなし、急降下しながらつついていきます。ひどい時期にはブリスベン市から子供を公園で遊ばせたり、自転車に乗らないようしたりしてくださいと発表があります。

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画像: Steven Giles-IStock

アイビス

アイビスは日本語ではオーストラリアクロトキという長いくちばしをもった鳥です。よく街中でゴミ箱をあさったりしているのを見かけます。初めて見たときは長いくちばしで攻撃されたらどうしようと思いましたが、ほとんどの場合はおとなしいようです。子供に追っかけ回されている場合もあります。人に直接危害を加えることはありませんが、ゴミをあさったり、群れで飛んでいて飛行機と衝突したりすることもあるらしいので、オーストラリアでの印象ははあまりよくないようです。

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画像: Steven Giles-iStock

蜘蛛

オーストラリアでは都心部でも家の中で蜘蛛をよく見かけます。オーストラリアには2種類の知っておくべき蜘蛛の種類があります。一つ目はセアカゴケグモという背中に赤い模様のある蜘蛛です。日本でも最近見つかり話題になりました。セアカゴケグモの毒で死ぬことはあまりありませんが、吐き気、嘔吐、筋力の低下などを起こすことがあります。特に子供や老人は注意が必要です。もう一つ知っておくべき蜘蛛はシドニーファネルウェブスパイダー(日本語ではシドニージョウゴグモ)です。黒い大きな蜘蛛で、世界でもっとも危険な蜘蛛の一つとされています。この蜘蛛の毒は大人にも致命的です。もし噛まれた場合は病院で解毒剤の投与受ける必要があります。これらの蜘蛛はシドニーやブリスベンの都心でも見かけられることがあります。

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画像:Totajla-iStock
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画像: Ken Griffiths-iStock

オオコウモリ

オオコウモリはこちらではフライングフォックスと呼ばれます。近くの公園の木々にも夜になるとたくさんのオオコウモリがぶら下がっています。オオコウモリは基本的に人を襲うことはないですが、狂犬病に似た菌をもっています。そのためオオコウモリに噛まれたり、引っかかれたりした場合はすぐに狂犬病免疫グロブリンを接種する必要があります。車にひかれているオオコウモリを助けようとして噛まれたり、公園を歩いていたらオオコウモリらしき動物に噛まれたという人たちに時々クリニックで遭遇ることがあります。

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画像: georgeclerk-iStock

オーストラリアは身近にいろいろ生物がいて、中には危険の生物もいます。しかしどのような生物が危険かわかっていればそこまで心配する必要もありません。身近にいろいろな生物と接することができるのもオーストラリアの魅力の一つです。



参考
https://www.brisbane.qld.gov.au/clean-and-green/natural-environment-and-water/biodiversity-in-brisbane/wildlife-in-brisbane/living-with-wildlife/flying-foxes
https://www.abc.net.au/radionational/programs/offtrack/behind-the-ibis-invasion/6842242
https://www.brisbanekids.com.au/wildlife-in-brisbane-10-places-to-spot-wild-native-australian-animals-in-brisbane/



 

Profile

著者プロフィール
高尾康端

日本、スイス、シンガポール、アメリカで育ち、2004年からオーストラリアに移住。シドニー大学医学部を卒業。現在は東ブリスベンエリアHawthorne Clinicにて家庭医 (GP)として勤務。家庭医の観点からみる病気についての情報、また母国である日本と移住地オーストラリアの医療システムの違いや、オーストラリアで病気になった時に役立つ情報を発信している。

Twitter:@dryasutakao
Facebook:Dr Yasu Takao
ブログ:https://www.dryasutakao.com.au/blog

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