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パリのカフェのテラスから〜 フランスって、ホントはこんなところです
免税でのお買物の意外な罠
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ここのところ、日本に行くと、海外在住者(2年以上海外に在住している者)に認められている免税でのお買物を利用させていただいており、今回も日本に入国する際には、パスポートに入国スタンプを押してもらい(免税でのお買物の条件として、日本に入国6ヶ月未満という条件があるため、入国日の証明として入国スタンプが必用)、区役所に行って戸籍の附票の写しをもらい、いつでも免税でのお買物ができるように、日本滞在中はパスポートとともに頻繁に持ち歩いていました。
すでに昨年に、このシステムを利用して、思いのほか簡単だったので、これは利用するしかない!といくつかのお買物を予定していました。私の場合は、別にブランド物のように高価なお買物をするわけでもなく、まあ免税といっても10%なので、小さいお買い物の場合はいくらも変わらないのですが(一応、一つの店舗で一回のお買物が5,000円以上のお買物に対して免税になる)、このご時世、5,000円など、あっという間に超えてしまうので、塵も積もれば・・という感じではあります。逆に私の場合はフランスに住んでいるので、フランスおよびEU圏内のお買物に対しては免税にはなりません。
免税で得したつもりが・・
今回、私の免税でお買物したかったものの一つは携帯電話で、これまで使っていた携帯がそろそろ寿命を迎えそうなタイミング(完全に壊れたわけではないけど・・)で、なんといっても、私はこの種の電子機器にめっぽう弱いため、これまで、娘に頼り切っていたために、娘のいないときに壊滅的に壊れた場合に、適切な携帯を選択して自分で設定したりできるだろうか? だったら、日本に行った時に娘に一緒に買いものに行ってもらって、ついでに前の携帯から移行して設定してもらおう!という一石二鳥の意味があったのです。また、携帯くらいならば、けっこう値段も張るので免税してもらうのも意味があるかな?と。
そんなわけで、娘につきあってもらって、秋葉原にある某家電製品量販店へ行くと、さすがに秋葉原だけあって、外国人観光客対応にも慣れているのか、海外対応に対しても店員さんが熟知していて、迅速に且つ、適切に詳しく説明してくれました。私などの場合は、大した機能を使いこなせるわけではないので、そもそもそんなに高性能のものは必要ないので、写真がキレイに撮れるといい・・という注文くらいのもの、あとは、フランスでの使用に支障がないものという注文です。何を隠そう私は初めて秋葉原という場所に行ったのですが、「さすがに秋葉原・・メッカだけあって、店員さんも優秀!」と娘と感心しながら、ついでにお安めのタブレットも一緒に購入しました。免税手続きもスムーズでした。
しかし、家に帰ってきてから、娘がご丁寧に値段をチェックしてくれたところ、「ママ!Amazonの方が安かったよ!免税にして、ようやくとんとんくらいかも・・」とショッキングな事実が判明。こういう時に自分を納得させる方法として、「店員さんに直接説明してもらって納得してお買物ができたし、よい勉強になった」と自分に言い聞かせたのでした。
免税をうたっているお店の落とし穴
娘に言わせれば、ママが日本で買いたいものは、「まさに外国人観光客のスタンダード」だそうで、電子機器、薬局などのドラッグストア、ユニクロが私が日本に来て、お買物したかったお店です。最初の携帯で懲りているので、薬局では、いくつかのお店を覗いて、値段をチェックしました。私が買いたかったのは、日本の薬関係(風邪薬や目薬、虫刺されの薬や日本の基礎化粧品等)で、これも全て合わせれば、けっこうな金額になります。
フランスは一般に市販している薬の種類は少なくて、日本のような痒いところに手が届く感じの薬が少ないのです。そして、それと真逆な感じの日本のドラッグストアは、海外に住む者としては、非常に魅力的な場所で、薬だけでなく、化粧品はもちろんのこと、生活用品から食料品までたくさんの商品が並んでいて、フランスの薬局もこんな感じになってくれればいいのに・・といつも思います。
話は少し逸れましたが、日本のこのドラッグストア、外国人観光客に人気とみえて、今やどこのドラッグストアにも大きく「免税・TAX FREE」の看板が掲げられています。しかし、今度は、この「免税」に騙されないぞ!とばかりに少々価格を比較してみたところ、これがお店によっては、もう「ぼったくり?」とも思えるほど値段が違う店舗も含まれていて、「これじゃ10%免税してもらったところで、全然、高いじゃん!」とあきれ返りました。そんな事実を目の当たりにして、ドラッグストアでは、薬、化粧品に加えて、持って帰れそうな食料品(おせんべいやお菓子など)まで、調子にのってお買物しました。
そして、最後にユニクロ・・ユニクロは今やパリにもたくさんありますが、パリでは扱っていない商品もあるうえに、この円安の影響でそもそも割安。ユニクロの場合は店舗によって値段が違う(日本国内)ということはないと思うので、2回も行ってしまいました。
免税手続きが去年と変わっていた!
昨年、免税でお買物をした時には、お買物情報は、オンラインで全て税関に送られていますので、「商品は手荷物にしなくても大丈夫です・・」とのことで、実際に空港の手荷物検査上を過ぎたところにある税関でパスポートをピッと通して完了だったのですが、まさかの空港では「税関に行って商品のチェックを受けて下さい」に変わっていました。これを知ったのは、最後のユニクロでのお買物の際のことで、昨年の成功体験があっただけに、調子にのって、お買物をしていた私は、まさにマンガで言えば、顔に縦の線がいくつも描かれるような「ガ~ン!」という半泣き状態。こんな荷物、手荷物なんて無理無理無理!と、青くなって、まず羽田空港の税関に電話して、事実を確認しました。
すると、この電話で回答して下さった方がとても親切で感じの良い方で、「最近、ルールが変わりまして、税関のチェックをうけていただくことになりました。出発便はどちらの航空会社でどこへ行かれるのですか?」、「パリ行きの直行便、全日空です」と答えると、「それなら、ターミナルはこちらですから、税関の場所は・・ちょっとわかりづらいところにあるので、羽田のANAのカウンターに行ったら、免税手続きがあるとお知らせください。税関の職員がそちらに出向きますので、それなら、スーツケースに商品を入れていただいても、それから、チェックインしていただけます」とのこと。とても良い人だな・・と思ったものの、包装したままの状態でスーツケースの一か所にまとめて入れると、かなりのスペースを要し、パッキングも大変なことになりました。
こんなことなら、つまらないものは免税品に加えるんじゃなかったと思っても、もう後の祭りで、はみ出た荷物は別の袋に収納し、チェックが終わった後にスーツケースに押し込むことにして、全部の荷物を一応、計量。この手続きのために、通常よりもさらに1時間ほど早めに家を出ました。ただでさえ、山のような日本の食料品を持ち帰る私としては、ヘタをすると、それらを持ちきれない非常事態・・真っ青です。
当日、ANAのカウンターに行くと、税関に連絡してくださり、結局、税関の方が来て下さるのではなく、場所を教わって、私の方が荷物とともに、出向くことになりましたが、電話で仰っていたほど、わかりにくい場所ではありませんでした。緊張しながら、インターホンを押すと係の方が出ていらして、パスポートを出してくださいと言われ、結局のところは、前年と同じにパスポートをピッと機械に通して終わりでした。「ただ、時おりチェックする場合もありますので、その準備(商品提示)だけはしておいてください」とのことで、今回、私はセーフでしたが、次回からは気をつけなければと肝に銘じました。しかし、私のような海外在住の日本人に加えて、これだけ多くの外国人観光客のお買物を、いくらオンラインで情報が配信されているとはいえ、全て空港の税関でチェックするのもまた、これは大変なことです。
海外での免税でのお買物も同じこと
海外でのお買物に対しての免税手続きに関しては、逆に欧州内では私はできないので、手続きに関してはまた、その国によって違うと思いますが、必ずしも免税だから安いとは限らないという意味では同じことで、いわゆるハイブランドなどのブランド品に関しては、お店によって値段が違うということはないとは思いますが、今はパリなどでは、ほとんど見られなくなったいわゆる市内の免税店などの場合は、免税だから、必ずしも安くなるとは限らないということは、同じことかもしれません。空港の税関で商品の確認が行われることも、その商品がたしかに国外に出ることを確認するわけで、不当な検査ではないことはもちろんのことです。
この空港での免税手続きやチェックがいらないのは、空港で出国手続きをした後でのお買物ですが、(よく航空券を見せてくださいといわれる空港内のお店です)、免税になるとはいえ、これまた空港によって値段がかなり違うようで、そもそもパリの空港はお値段はお高めかもしれません。「免税」といえば、ある種のパワーワードでもあり、なんだか、お得感があり、ついつい惹きつけられてしまいがちですが、そうそう甘いことばかりではないと、今回のお買物で学んだ次第です。
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- RIKAママ
フランスって、どうしようもない・・と、日々感じながら、どこかに魅力も感じつつ生活している日本人女性。日本で約10年、フランスで17年勤務の後、現在フリー。フランス人とのハーフの娘(1人)を持つママ。東京都出身。
ブログ:「海外で暮らしてみれば・・」
Twitter:@OoieR