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Fair Dinkum フェアディンカム・オーストラリア

平野美紀|オーストラリア

ようこそ、満天の星空レストラン「タリ・ウィル」 ~ウルルで体験する唯一無二の極上ディナー

ウルルを望む屋外で最高級の料理とワインが愉しめる「タリ・ウィル」。夜の帳が下りると頭上には満天の星空が広がる。(Credit:Voyages Indigenous Tourism Australia)

仕事柄、オーストラリア各地を訪れ、評判の良い高級レストランで食事をする機会は(他の人よりたぶん)多いほうだと思う。けれども、「ここは絶対にもう一度リピートしたい!」と思えるレストランは、それほど多くない。

今年も各地でいろいろ食べ、「おいしい!」と思ったものはたくさんあったけれど、本当に久しぶり(何年ぶりだろう?)に「絶対もう一度リピートしたい!」と思えるレストランに出会った。

2024年を締めくくる記事は、今年度(私の中で)最高のレストランをご紹介したい。

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(左上)ディナー会場に到着するとディジュリドゥの演奏が始まる。(左下)ディナーを締めくくるデザート。(右上)屋根のない青空レストラン。(右下)料理とマッチングワインが記載されたメニュー。(筆者撮影)

それは、ウルルのあるエアーズロック・リゾートの『タリ・ウィル』だ。

『タリ・ウィル』とは、現地の先住民の言葉ピジャントジャラ語で「美しい砂丘」を意味する。レストランはまさにそうした美しい砂丘の上にある。といっても、レストランとしての建物はない。小高い丘の上にテーブルが並べられているだけ・・・

そう、タリ・ウィルは、ウルルを一望できる最高のロケーションにセッティングされた屋根のない屋外レストランなのだ。

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ディナー会場では冷えたスパークリング・ワインを用意して出迎えてくれる。(筆者撮影)

ディナー会場に到着すると、まずはキンキンに冷えたスパークリング・ワインでお出迎え。雄大なアウトバックに沈む夕日と夕暮れに紅く染まりゆくウルルを眺めながら、タリ・ウィルのディナータイムはスタートする。

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食前酒と共に提供されるカナッペ。これは私が肉アレルギーのため、シェフが特別に作ってくれたもの。(筆者撮影)

タリ・ウィルで提供されるディナーは4コース。料理の食材には、オーストラリアの先住民たちが食べてきた野の食べ物「ブッシュタッカー」が使われる。色とりどりのブッシュタッカーが、料理に一味違った味わいをもたらしてくれる。

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美しいサンセットを眺め、ディジュリドゥの音色に耳を傾けながら、食前酒とカナッペをいただく。まさに至福のひとときだ。ディジュリドゥの演奏が終わると、ゲストたちはテーブル席へ ──

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ここから始まるディナーのメニューには、すべての料理とマッチングさせたワインが付く。オーストラリアを代表するペンフォールズ社のワインはどれも飲み放題だ。

食事が進むにつれ、辺りは夕闇に包まれていく。夜の帳(とばり)が下りる頃、ふと空を見上げると、頭上には満天の星空!

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人工光がほとんどないオーストラリア中央部アウトバックに広がる星空。iphone14 Pro でこれだけ撮れる!(筆者撮影)

夜空にこんなにもたくさんの星があることに、きっと驚くことだろう。食後には、天体ガイドが解説してくれる星空観察会も開かれる。

こうした時間と共に移り変わっていく大自然を愉しみながら食事ができるのも、屋根のない屋外レストランならではだ。

オーストラリアでは、ここ以外にも屋外で食べるディナー体験ができるところがたくさんあるが、タリ・ウィルは格別。素晴らしいロケーションはもちろんだが、この手のレストランとしては料理のレベルがかなり高く、ちょっと他とは比べものにならないほどだ。

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かわいらしく盛り付けられたマッシュルームを使ったカナッペ。ウルルのサンセットを愉しみながら、冷えたスパークリング・ワインと共に。(筆者撮影)

2024年12月時点で450豪ドルと安くはないが、日本の高級料亭でもこのくらいのところはいくらでもあるし、上質なワインなどアルコール類も飲み放題であることを考えれば、決して高くはない。何より、壮大なアウトバックの大自然のなかで、あれほどのレベルの料理が食べられことを考えれば、唯一無二のレストランといえる。

15歳以下は参加できない大人だけのディナー。記念日や特別な日に、ぜひ一度、体験してみて欲しい。

★今年も1年間、お読みいただきありがとうございました!どうぞ、よいお年をお迎えください。〈了〉

タリ・ウィル Tali Wiru
ウルルの満天の星空の下で、先住民料理を体験 - SBS日本語サイト

Special thanks to:Tourism Northern Territory, Voyages Indigenous Tourism Australia

 

Profile

著者プロフィール
平野美紀

6年半暮らしたロンドンからシドニーへ移住。在英時代より雑誌への執筆を開始し、渡豪後は旅行を中心にジャーナリスト/ライターとして各種メディアへの執筆及びラジオやテレビへレポート出演する傍ら、情報サイト「オーストラリア NOW!」 の運営や取材撮影メディアコーディネーターもこなす。豪野生動物関連資格保有。在豪23年目。

Twitter:@mikihirano

個人ブログ On Time:http://tabimag.com/blog/

メディアコーディネーター・ブログ:https://waveplanning.net/category/blog/

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