「破綻国家」ミャンマーを襲った2つの災害が、軍政を終わらせる可能性あり?...政治を揺さぶる「天災の力」
Double Disaster in Myanmar
ASEAN、日本、中国、バングラデシュ、カナダなどの緊急救助隊がミャンマー第2の都市マンダレーに到着したとき、現地の病院は混乱を極めていた。民主派の抵抗運動「市民的不服従」(CDM)に参加したスタッフを雇ったという理由で、軍政が複数の病院を閉鎖したからだ。
軍政が救助活動を妨害していると訴える声も多かった。民主派の捜索隊は通行妨害に遭い、徴兵年齢の救急隊員は国軍に連れ去られたというのだ。国軍が中国赤十字社の車列に、誤って発砲したというニュースも伝えられた。
ミンアウンフラインは、地震の犠牲者のために1週間国中が喪に服すと宣言。国際社会に支援を求める一方で外国人記者の入国を禁止し、台湾の捜索救助隊の受け入れを渋った(中国に気を使ったのだろう)。
それでも、3月30日に停戦を宣言したNUGに続き、ミンアウンフラインもバンコクで開催される地域首脳会議への出席を翌日に控えた4月2日、遅ればせながら災害対応のための20日間の停戦を宣言した。だがその翌日には、19回にわたる国軍の空爆があったと伝えられた。
NUGの発表によれば、今回の地震では住宅やインフラに加え、宗教施設も大きな被害を受け、157の仏塔、52のモスク(イスラム礼拝所)が倒壊したという。