インドネシア、バド国際大会19年ぶり優勝でも国旗掲揚されぬ屈辱 その理由とは──
優勝杯を手にしたインドネシア選手団だが、その頭上に国旗がたなびくことはなかった── BWF TV - YouTube
<ライバル中国を打ち破り歓声に包まれたコート。しかし表彰台の中央に立つ選手たちの頭上に国旗が翻ることはなかった──>
バドミントンの国際大会「トマスカップ」で10月17日、バドミントン王国のインドネシアが決勝で中国を破って2002年以来19年ぶりの優勝を果たすという快挙を成し遂げ、コロナ禍で沈滞ムードのインドネシア国民は歓喜に沸いた。しかし表彰台の中央に立つ選手たちの頭上にインドネシア国旗が翻ることはなかった。
これは世界反ドーピング機関(WADA)が10月7日にインドネシアとタイ、北朝鮮が規定に違反しているとして下した処分に基づくものだ。
このWADAの処分では地域の競技会や世界選手権を開催できないほか、競技会にインドネシアやタイの選手は参加できるものの、開会式、閉会式の入場行進や表彰式でインドネシアの場合は国旗「メラプティ」の使用が禁じられるため、国際大会である「トマスカップ」に早速それが適用された結果だった。
今夏開催された東京オリンピック/パラリンピックではWADAの処分を受けて制裁中のロシア選手団がロシア国旗の代わりに「ロシア五輪委員会」の名称と旗で参加し、金メダルの表彰式ではロシア国歌の代わりにロシアを代表する作曲家チャイコフスキーのピアノ協奏曲が使用された。
ロシアはWADAの処分に不服を示しスポーツ仲裁裁判所(CAS)による裁定を求めたが最終的にCASも違反を認定したことで処分が確定していた。
WADA処分を受け国民に謝罪
WADAは今回の処分理由として「インドネシアの反ドーピング機関が効果的な検査プログラムを実施していないため不適合の裁定となった」とその理由を説明している。同じく処分を受けた北朝鮮もインドネシアと同様の理由とされるが、タイは2021年の反ドーピング規定を完全に履行できなかったことが理由とされている。
これに対してインドネシアの反ドーピング機構(LADI)は「インドネシア政府はさらにドーピング監視活動に十分注意を払うべきだ。監視には限界があり、大きな組織の協力が必要だ」との立場を示してドーピング違反監視への政府のさらなる支援と協力を求めている。