仏ケリング、第1四半期は14%減収 グッチが予想以上に不振

フランスの高級ブランド大手ケリングが4月23日発表した第1・四半期決算は、売上高が前年同期比14%減に落ち込んだ。傘下の主力ブランドのグッチの不振が続き、全体の足を引っ張った。写真はグッチの秋冬コレクションのファッションショー。2月25日、ミラノで撮影(2025年 ロイター)
[パリ 23日 ロイター] - フランスの高級ブランド大手ケリングが23日発表した第1・四半期決算は、売上高が前年同期比14%減に落ち込んだ。傘下の主力ブランドのグッチの不振が続き、全体の足を引っ張った。業績改善の兆しが見られない中、同社は人員削減の可能性を示唆した。
英金融大手HSBCによると、ビジブル・アルファがまとめたアナリスト予想コンセンサスは9.7%減だった。
グッチの売上高はアナリスト予想の19%減を下回る25%減と深刻化した。
グッチはケリング全体の売上高の約半分、利益の3分の2を占める屋台骨だ。厳しい滑り出しとなったことで、高級ブランド業界の経営環境が今年も悪い状況のまま続きそうなことを改めて浮き彫りにした。
こうした背景には同業界の2大市場である米国と中国で消費者が高級品を買い控えていることがある。
ケリングのフランソワ・アンリ・ピノー最高経営責任者(CEO)はプレスリリースの冒頭で「マクロ経済の逆風を乗り切るため警戒を強めている」と指摘した。
第2・四半期も前年同期比で2桁の減収が続くと予想されている。ケリング幹部らはアナリスト向けオンライン説明会で、グループレベルおよびブランドレベル、また地域間の重複を削減し、コストを抑える計画があると語った。
また、ケリングの第1・四半期は北米と西欧の両市場で売り上げが低迷したのも特徴だ。
ケリングは流行の様変わりが早いファッション業界で多くの収益を上げており、トランプ米大統領による高関税政策で景気後退が懸念される中、他の大手高級ブランド企業よりも目先は業績の下押し圧力を受けやすい状況にある。