中国でまた核ミサイル発射施設110基を発見──冷戦以来「最も大規模な」軍備増強
China Spotted Building 110 Secret Nuclear Missile Silos in Desert
米シンクタンクが発見した、新疆ウイグル自治区に建設中の核ミサイル用地下発射施設 PLANET LABS INC./NEWSWEEK
<アメリカのシンクタンクが、衛星画像から核ミサイル用地下発射施設計250基にのぼる建設サイトを発見。「核抑止に徹する」という中国の本物の核の脅威が姿を表した>
中国が、西部新疆ウイグル自治区の砂漠地帯に、核ミサイルサイロ(核ミサイル用地下発射施設)を新たに110基建造していることが、7月26日付の調査で判明した。専門家はこの動きを、冷戦以来「最も大規模な」建設活動だと表現している。
ワシントンDCにある米国科学者連盟(FAS)の核情報プロジェクトで、世界各国の軍備増強を研究しているマット・コーダとハンス・クリステンセンは、新たに見つかったミサイル格納施設は、新疆ウイグル自治区の哈密(ハミ)郊外にあり、約800平方キロにわたって広がっていると指摘した。
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この発射場は、甘粛省玉門(ぎょくもん/ユーメン)の北西約380キロに位置する。玉門ではつい1カ月前に、カリフォルニア州にあるジェームズ・マーティン不拡散研究センター(CNS)が、建設中の核ミサイル用地下発射施設約120基を発見している。この2カ所を合わせると、「中国の核軍備増強としては、史上最大の規模になる」うえに、中国の大陸間弾道ミサイル(ICBM)施設としては最も内陸のものになると、FASのレポートは記している。
コーダとクリステンセンは今回の報告の中で、哈密のミサイル格納施設の建設が始まったのは2021年3月と推定している。これは、玉門の格納施設の建設作業が始まったとみられる時期から約1カ月後のことだ。哈密の施設では、少なくとも14基のサイロの上面にカモフラージュ用のドーム型の覆いが設けられているほか、建設に向け準備に入ったサイロも19基あるという。
7月26日に公開されたFASのレポートは、次のように記している「哈密のサイロ建設工程およびその編成は、玉門の格納施設で建造されている120基のサイロに酷似している。同時にこれは、内モンゴル自治区の吉蘭泰(ジランタイ)訓練場にある12基ほどのICBM用サイロともよく似ている」。同レポートはさらに、ミサイル発射施設の総数は、現時点で250基前後に達しているとの見方を示した。
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内モンゴル自治区にあるICBM発射場は、CNSの東アジア不拡散プログラム(ENAP)の専門家が注視しているものだと、同プログラムの責任者ジェフリー・ルイスは言う。玉門のミサイル格納施設を発見したデッカー・エヴリスはルイスの同僚であり、商用衛星写真企業プラネットが提供した画像を詳細に分析していた際に、この施設を発見した。
玉門の施設と同様に、哈密の核ミサイルサイロも、3キロ弱の間隔を置いて並べられていることが、コーダとクリステンセンの分析で明らかになった。この間隔も、2つの施設の類似点だ。