仮想通貨ウォーズの勝者はリブラか中国か――経済の未来を決する頂上決戦の行方
THE RACE IS ON
2020年1月25日(土)17時30分
リブラが「脅威」である理由
そもそもリブラとは何か。リブラ・プロジェクトは、目標をこう掲げている。「数十億人が権利を有するシンプルな世界通貨と金融インフラを創出する。お金の刷新と世界経済の変革であらゆる場所の人々がよりよい生活を送れるようになる」
リブラに関して提唱されている要点は以下の3つだ。①リブラは安全で、規模の拡大に対応でき、信頼できるブロックチェーン上に構築される。②リブラに実体価値を与えるための準備資産に裏打ちされている。③中立的な機関であるリブラ協会によって管理・運営される。
つまりリブラは「民間企業による法定通貨バスケット型のステーブルコイン」であり、その価値は複数の法定通貨の価値に連動する。例えば、参加メンバーから10億ドル集め、次のような割合で投資する。米ドル35%、人民元30%、ユーロ20%、英ポンド10%、円5%(バスケットの合計は100%)。
この割合は変更でき、どの法定通貨を加え、あるいは削除するかはメンバーの投票で決める。また準備資産は、比較的変動の少ない有力法定通貨による預金や国債、政府証券などで構成する。
リブラの運営を行う「リブラ協会」への加入には1000万ドルの出資が必要。資金の運用で生まれた利益を得る権利を持つが、規制当局からの目が厳しくなると、創立メンバーから脱落する企業が続出した(当初発表された28社から7社が離脱) ORESTIS PANAGOIOTOUーPOOLーREUTERS
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