午前の日経平均は大幅反落、米中摩擦の激化を警戒 円高が売りに拍車

4月11日、前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比1460円55銭安の3万3148円45銭と大幅に反落した。写真は同日、都内で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 11日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比1460円55銭安の3万3148円45銭と大幅に反落した。米中貿易摩擦のエスカレートを懸念して米国市場で株安だったことを嫌気した売りが優勢となった。ドル/円が一時142円台と急速に円高が進行したことも投資家心理を冷やし、日経平均は一時1900円超下落した。
日経平均は657円安で寄り付いた後も下げ幅を拡大し、一時1982円安の3万2626円58銭に下落した。トランプ米大統領は9日、対中追加関税を125%に引き上げ、即時発効すると発表していたが、合成麻薬フェンタニル対策で年初に発動した20%の関税を合わせて累計で145%と伝わり、米中間の摩擦がエスカレートするリスクを警戒した売りが優勢となった。
為替市場でドル/円が一時、半年ぶり安値の142円台へ急速に円高に振れたことも投資家心理を冷やした。市場では「最悪期を通過したかもしれないが、警戒感は残存している」(岩井コスモ証券の林卓郎投資情報センター長)との声が聞かれた。
日経平均のPBR(株価純資産倍率)は7日の急落時に一時1.15倍に低下し、解散価値に接近したほか、配当利回りやチャートの形状からも割安感が出てきているとし「この辺りがいい水準だろう。当面は値固めではないか」(岩井コスモの林氏)との見方もあった。
TOPIXは4.25%安の2431.51ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は2兆5195億1600万円だった。東証33業種はすべてが値下がりし、値下がり率上位には保険や銀行、輸送用機器などが並んだ。相対的に値下がり率が小さかったのは食料品や建設、小売などだった。
ファーストリテイリングやアドバンテストといった日経平均への寄与度が高い銘柄群の大幅安が目立った。トヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループといった主力株も弱かった。一方、決算を手掛かりにした個別物色がみられ、スギホールディングスやベイカレントはしっかりだった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが107銘柄(6%)、値下がりは1516銘柄(92%)、変わらずは14銘柄だった。