英労働市場に減速の兆し、企業の税負担増を前に 賃金は堅調維持

4月15日発表の統計によると、今月の企業に対する大幅な税負担の引き上げを前に、英労働市場は弱まる兆しを見せたが、賃金の伸びは力強さを維持した。写真は2023年10月、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Susannah Ireland)
William Schomberg Suban Abdulla
[ロンドン 15日 ロイター] - 15日発表の統計によると、今月の企業に対する大幅な税負担の引き上げを前に、英労働市場は弱まる兆しを見せたが、賃金の伸びは力強さを維持した。イングランド銀行(英中央銀行)は難しい対応を迫られる。
国立統計局によると、1─3月の求人件数は2021年5月までの3カ月以来初めてコロナ禍前の水準を下回った。
また雇用主から税務当局に提出されたデータでは、3月の雇用者数が7万8000人減少。2月は前回発表の2万1000人増から8000人減に修正された。
求人情報サイトインディードのシニアエコノミスト、ジャック・ケネディ氏は、労働市場の緩やかな軟化を示唆していると指摘。その上で「トランプ大統領の関税、国民保険料引き上げ、最低賃金の引き上げ施行など、荒天が続く中、統計は過去の話と捉えるべき」とした。
一方、統計局によると、24年12月─25年2月の賃金(除くボーナス)は前年比5.9%上昇で、24年11月─25年1月の5.8%上昇(改定値)から加速。民間部門の賃金(除くボーナス)は前年比5.9%上昇と、24年11月─25年1月と同水準となった。ロイターがまとめた予想はいずれも6.0%上昇だった。