ソルリの死を無駄にはしない 韓国に拡がる悪質コメント禁止の動き
芸能人も法的対応へ
一方、コメントの被害を直接受ける芸能人たちも対応策をとり始めた。社団法人大韓歌手協会は、拐取に対する誹謗中傷への対応を発表。会長を務める歌手のイ・ジャヨンは「歌手を相手に悪意をもった攻撃から会員を守ることに全力をそそぐ。無分別な対応なポータルサイトに対しては全会員がボイコットを宣言するなど、全方位的な活動をする」と語り、協会内にカウンセリング窓口や被害通報センターを設置する計画も発表した。
悪質コメントを書き込んだ本人を訴追する動きも出ている。最近ではコメディアンのユ・サンムが、2016年5月に自身のニュースの書き込み欄へ誹謗中傷を書かれたと2名を訴え、各70万ウォン、30万ウォンの賠償金を勝ち取った。映画やドラマなどで活躍するベテラン女優キム・スミは、自身の息子の結婚の噂から始まり、過去の事実とは異なる噂話までもが書き込みされ、弁護士を通じ特にひどい中傷を書き込みをした人物について告訴する準備を始めたと発表した。
死を選ばず、対抗する姿勢を見せ始めた芸能人達。特に、今回のようにベテラン組からも告訴の声が上がるのは、芸能界全体にも良い風を吹き込んでいるように見える。
大人であっても心に傷を負ってしまう悪質書き込み。近年、低年齢化が進む芸能界で、10~20代の若者たちは自分への書き込みを簡単に目にしてしまい、闇に追い込まれて行ってしまう。これだけの自殺者が出ている今、「芸能人への誹謗中傷は有名税だ」などと言ってはいられない状態だ。
まだ何もわからない未成年の芸能人には、芸能事務所や周りの大人がサポートや声を上げやすく手助けをするなど、守っていくことが大事になってくるだろう。言論の自由との線引きはまだこれからも議論が続きそうだが、ひとまずはAIなどを活用して、ネット上に価値のないコメントなどが拡がるのを隠してしまうのが迅速かつ得策かもしれない。