北朝鮮暴走に対する中国の見解――環球時報社説から
ただ、今のところ、国連安保理制裁は北朝鮮に自重を招いていないし、ましていわんや軍事的示威は北朝鮮にさらなる暴発の口実を与え、核・ミサイル技術の「実施訓練」のチャンスを与えていることだけは確かだ。その結果、北朝鮮の核・ミサイル技術は向上する。
北朝鮮という国を誕生させた旧ソ連の根幹を成しているロシアは、北朝鮮を知り尽くしている。プーチン大統領は「北朝鮮は、たとえ草を食べてでも核・ミサイルの開発はやめないだろう」とBRICS(新興5ヵ国)の閉幕スピーチで述べた。それが本音だろう。
となれば、中国の政府見解にも一考に値するメッセージが入っているだろう。日本国民の安全を優先したいのなら、思考は柔軟でなければならない。
しかし、それなら中国は果たして、どのような解決策を持っているのか?
筆者は思い切って中国の政府関係者を直撃取材した。
その結果は、驚くべきもので、これまでのシナリオにはなかった発想であった。
それを公表することが秘策実現の邪魔にならないか、あるいは公表することで戦争へのリスクを回避する道を選ぶ可能性を国際社会(特に日米韓)に与えることになるのではないか、今のところ逡巡がある。公表すべきと決断できたら、このコラムで発信するつもりだ。
[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』(飛鳥新社)『毛沢東 日本軍と共謀した男』(中文版も)『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。