トランプ、スカラムチ広報部長解任 今後はケリー首席補佐官が統率
7月31日、ニューヨーク・タイムズは、トランプ米大統領がスカラムチ広報部長(写真)解任を決めたと報じた。ホワイトハウスで26日撮影(2017年 ロイター/Joshua Roberts)
米ホワイトハウスは31日、トランプ大統領が、10日前に広報部長に起用したアンソニー・スカラムチ氏を解任したと明らかにした。関係筋によると、他のホワイトハウス幹部に対する暴言が理由。
政権当局者は、28日に解任されたラインス・プリーバス氏の後任として大統領首席補佐官に31日就任したジョン・ケリー前国土安全保障長官が就任初日に、スカラムチ氏の解任を要請したと語った。関係筋は、政権中枢の確執が表面化していたホワイトハウスに規律をもたらしたいというケリー氏の意向が働いたとしている。
「街に新たな保安官が登場した」と、トランプ氏の元選挙顧問のバリー・ベネット氏は述べた。
トランプ氏に近い共和党筋によると、大統領は週末にかけてスカラムチ氏の処遇に頭を悩ませ、複数の補佐官や顧問に意見を求めたところ、全員がスカラムチ氏の解任を進言したという。
トランプ氏は、スカラムチ氏が米誌ニューヨーカーの取材に対して行った乱暴な発言を不快に感じていたという。また、2016年の米大統領選で、当初は共和党候補者の指名をトランプ氏と争ったスコット・ウォーカー氏とジェブ・ブッシュ氏の資金集めに協力していたスカラムチ氏が、トランプ氏との友人関係を誇張しているように見えたことにもいら立っていたという。
そこでトランプ氏は、スカラムチ氏の解任を決めたと、この共和党筋は語った。同氏の解任を望んでいたケリー大統領首席補佐官が、31日朝にスカラムチ氏を自分のオフィスに呼び、その場で解任を告げたという。ケリー氏が大統領首席補佐官に就任して行った最初の行動の1つだった。
「ホワイトハウスの素晴らしい日だ」と、トランプ氏は31日夕にツイートした。
スカラムチ氏の解任に先立ち、共和党が公約する医療保険制度改革法(オバマケア)の見直しが米議会で頓挫したことに加え、政権中枢の確執が表面化してスパイサー前大統領報道官とプリーバス前大統領首席補佐官が相次いで辞職するなど、米政権は揺れに揺れていた。