トランプ、スカラムチ広報部長解任 今後はケリー首席補佐官が統率
スカラムチ氏は、ニューヨーカー誌に対し、プリーバス前大統領首席補佐官とバノン首席戦略官兼上級顧問の両氏を汚い言葉で非難していた。
ホワイトハウスのサンダース報道官は記者会見で「スカラムチ氏の発言は広報部長として不適切だったと大統領が感じたのは確か」と述べた。
報道官によると、ホワイトハウスでは今後、トランプ氏の長女イバンカさんやその夫で大統領上級顧問のジャレッド・クシュナー氏を含めた全スタッフが、まずケリー氏に全ての案件を報告する方式に改めるという。
米政権に近い共和党幹部によると、ばらばらだったホワイトハウスに規律をもたらすため、ケリー氏には幅広い権限が与えられた。
この幹部は、「物事が通常の手順通りに動くようになる」とした上で、イバンカさんとクシュナー氏も例外ではなく、「超法規扱いはなくなる」とした。
トランプ氏は7月29日夜、ホワイトハウス近くに自らが所有する高級ホテルの夕食会にムニューシン財務長官とロス商務長官を招き、スタッフの入れ替えを行うことを告げたという。ケリー氏も出席していた。
トランプ大統領は31日、ホワイトハウスの執務室にケリー氏と現れ、閣議では大統領首席補佐官としての同氏の仕事ぶりへの期待を語った。また、国土安全保障長官としての国境警備問題への取り組みを称賛した。
「非常に議論を呼ぶ状況だったが、あまり激論にはならなかった。そのこと自体、素晴らしいことだ」と、トランプ氏は述べた。
共和党議員は、政権中枢の混乱が、オバマケア見直しの試みや税制改正に悪影響を及ぼす可能性を懸念していた。
スカラムチ氏解任のニュースを受けて、ドルはユーロと円に対し下落。対ユーロでは約2年半ぶり安値、対円では1カ月半ぶり安値に沈んだ。