最新記事

フィリピン

ISIS武装勢力が占拠の比マラウィ、住民5人の首無し遺体発見

2017年6月29日(木)12時45分

6月28日、フィリピン軍によると、過激派組織「イスラム国」系の武装勢力が占拠する南部ミンダナオ島のマラウィ市では、頭部を切断された市民5人の遺体が見つかった。写真は同軍兵士。同市で撮影(2017年 ロイター/Jorge Silva)

過激派組織「イスラム国(IS)」系の武装勢力が占拠するフィリピン南部ミンダナオ島のマラウィ市では28日、頭部を切断された市民5人の遺体が見つかった。フィリピン軍が明らかにした。

フィリピン軍は、マラウィ奪還作戦が進行するなか、武装勢力による「残虐行為」の犠牲となる住民数が急増する恐れがあると警告している。回収された犠牲者17人の遺体のうち、5体は頭部が切断されていたという。

武装勢力が同市を占拠してから5週間が経過したが、市内から逃げ遅れた市民が実際に斬首されている証拠が、今回初めて明らかとなった。同市を脱出した一部の住民はこうした行為について報告していた。

28日でマラウィに突入した武装勢力と政府の戦闘は36日目を迎えている。これまでに治安部隊の兵士71人、武装勢力の戦闘員299人が死亡し、24万6000人の住民が家を追われた。

フィリピンのドゥテルテ大統領はマラウィの武装勢力を破滅させると約束しており、ISの「集団の狂気」に触発された若いイスラム系戦闘員によって、同国はいまや「非常に危険な状態」に直面していると語った。「彼らがやっているのは殺りくと破壊だ。そして最も残虐なやり方で殺害している」

マラウィ奪還作戦のため中国から大量の狙撃銃と突撃銃を受け取ったドゥテルテ大統領はまた、「彼らはカメラの前で人々を斬首するのを楽しんでいる。同等の凶暴さをもって対処されるべきだ。だが、野蛮であってはならない」と述べた。

斬首が行われているとの情報は、西ミンダナオ司令部のエマニュエル・ガルシア中佐から記者へテキストメッセージで送られた。

ただ、ある民間救助隊員はロイターに対し、身体の一部が見つかったが、「斬首の証拠はない」と語った。

フィリピン軍の報道官は、遺体は12体と5体、それぞれ別の場所で見つかったが、5体の頭部が切断されていたかどうかは確認できなかったとしている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

牧野フライスの同意得られなくても、計画通り進めてい

ビジネス

フジ・メディアHD、独立性確保した調査委設置 中居

ビジネス

景気判断は維持、米政策動向・物価高・中国リスクなど

ビジネス

リスク増やす想定でないと理解=運用利回り引き上げ提
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵を「いとも簡単に」爆撃する残虐映像をウクライナが公開
  • 3
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピー・ジョー」が居眠りか...動画で検証
  • 4
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 5
    欧州だけでも「十分足りる」...トランプがウクライナ…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 8
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 9
    【クイズ】長すぎる英単語「Antidisestablishmentari…
  • 10
    トランプ就任で「USスチール買収」はどう動くか...「…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 5
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 8
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 9
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 10
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 4
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命を…
  • 5
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中